桜歌2
□現実と桜
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それは
突然きた
薫side
放課後だった。
私は部活に入ってないため、普段は帰ることも多いのだが、今日は平助に頼まれて剣道の部室にいる。
久しぶりに打ち合いをして、昔を懐かしく思っていた。
そのときだった。
「………薫」
首もとがヒヤリと冷えた。
この声を知っている。
あぁ。
一番来てほしくなかった人が来てしまった。
「何度も言わせるな、薫」
「………ここは学校です、着替えてきますので少しお待ちください」
それだけ言うと、更衣室に向かう。
「ならば門にいる」
それだけ言ってアイツが去ると、平助や総司が近づいてきた。
そりゃそうか。
知らない人間が来たのだから。
「ねぇ、さっきの人誰」
まぁそれが普通の台詞だ。
「警視総監だよ」
それだけ言うと、女子更衣室に入っていった。
外で平助たちが騒いでいる声が聞こえたが。
まぁほとんど平助だけど。
着替えて更衣室を出ると、思わず呟いていた。
それも総司に向かって。