桜歌2

□あの日と桜
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彼女との出会いで





変わり始める





あの後、二人で車に乗り込むと、土方はやっと安心した。
ようやくあの頃の薫になった。
あの頃も如月の家に縛られていた。
それは今も変わらない。
だから前世で出来なかった薫の呪縛を和らげてやりたい。
土方はそう思っていた。
桜の木に誓ったからには、違えてはならない。
そう一人で自分の世界にこもっていると、薫の声が聞こえてきた。

「……土方さん」

「なんだ」

「私が撃たれた日、あの人と何を話したんですか」

土方の思考が一旦停止して、あの日に遡った。
あの日
薫に対してまるで道具かのような扱いをした男。
忘れてたまるか。
そう土方に思わせた男。

「………あの男がどうしたんだ」

「あの人が警視総監なんです」

「………は?」

「だから、あの人と何を話したんですか」

「…………」




                
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