桜歌(長編)完結

□終焉の桜
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一つの事件





それが導く





再会と別れ





失いたくない





ただそのことの為だけに





いつもの日常。
風が吹き、チャイムがなり、授業が始まり、黒板に文字を書き、先生の声が教室に響く。
そんな何気無い日常が壊れた。
警察に一本の電話がかかる。
血のついたナイフと銃を手にした男が学校に逃げ込んだと言う知らせが。



学校では混乱が起こっていた。
血のついた凶器と銃を一人の生徒に押し付けた犯人は、体育館に全ての生徒を集めるように命令した。
生徒が人質になっている以上手をつけられない。
例え戦乱を乗り越えてきた彼らでも。
そしてどうやら犯人は一人ではなく、複数のようだ。
現に何ヵ所かで悲鳴があがっている。
人質は一人ではなく複数。
そうして、体育館に全生徒と教師が集められた。
既に警察も動き出したのか、パトカーのサイレンの音が聞こえる。
チラリと外を見ると、校門は閉じられ、南京錠がかけられており、体育館の扉も閉めきられていく。
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