桜歌(長編)完結

□出逢いの桜
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桜の招きし





出逢いと別れ





再び出逢う





あの方へ





私は――――――――。






あの日あの時。
何故手放したのか。
あの人の手を。





土方side


あの桜で出会って以来、薫には会っていない。
それはただたんに薫が逃げているのかもしれないし、薫自身が会おうとしていないのかもしれない。
薫の言う一族の枷。
それがきっと薫を自由にしてくれないのだろう。
前世でも、薫は幸せになることを恐れた。
俺と共にいても、たまに何かに怯える素振りを見せていた。
それは今まで風間に対するものだと思っていた…が。
いつもの教師生活の合間に薫を探した。
だが何一つ、手がかりは掴めなかった。



(どこにいるんだ、薫)



そんな痛む心に問いかけて。




                  
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