桜歌(長編)完結
□明日を照らす桜
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出逢いがあり
別れがある
二人の希望は
桜に
土方side
あの日見かけたのは確かに薫だった。
あの桜には見覚えがあった。
二人で再会を誓った桜だ。
あの桜には薫の力と想いが詰め込められている。
アイツは桜に“永遠”を与えた。
永遠に咲き誇る桜。
薫はその桜に名を与えていた。
薫の願いが叶ったとき、あの桜がどうなるのか。
俺は知らない。
「………薫」
呟いても返ってこない返事と時間。
薫は何を考えてんのか…。
薫side
驚いた。
あの桜のところに彼が現れたことも、あの桜に気づいたことにも。
そして
それより
今の私を知って
(…彼は…私のことを…どう想うのだろうか…)
こちらで生まれ変わった私は血に忠実に生きてきた。
私の人生をかけて。