桜歌(長編)完結
□銃と桜
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舞い散る桜を描いた
一つの拳銃
家宝であり、誓いの拳銃
破れば制裁が下される
薫side
まさかあそこに逃げ込まれるとは…
運が悪いんだか何だか。
あの学校に行くなんて
薫は再び銃を構えると、携帯でとある場所に連絡して、建物に近づく。
きまりで午前中や普段の生活領域に近い範囲での仕事については、お面を被っての仕事となる。
でなければ日常生活に無理をきたす。
中を覗くとどうやら剣道場に行ったようだ。
しばらく様子を見ていると、見覚えのある姿が目に入った。
(……嘘…だろ)
その先にいたのは、前世で共に過ごした仲間たちだった。
アイツらは殺られないと分かってはいたが、殺られたら殺られたで困る。
それに今は一般人だ。
獲物など持ち合わせてない。
そこで建物付近に近寄ると、拳銃で今まさに彼らに拳銃を向けている男を撃った。
男が倒れたのを確認して、お面をきっちり被って剣道場へと降り立った。