桜歌(長編)完結

□桜の気付き
1ページ/3ページ



土方side




俺のもとに一本の知らせが入った。




一人の女を駅まで追った日の夜だ。
携帯が光った。
いつもは学校での連絡関係なのだが、今日は何故か源さんだった。
前世で共に歩んだ一人。
井上源三郎。
今は総理と仲良く、よく会合に参加している。
(………何事だ?)


「はい、どうしたんだ?源さん」


「あぁ土方君、すまないねぇ夜遅くに」


「いや、大丈夫だ」


「…実は…な、今日薫君に会ったんだ」


そのとき
動きが止まった。
俺には時間がいつもよりゆっくり動いているように感じた。


「………土方君」


その源さんの一言で、頭が回転しだすと、薫のことで頭がいっぱいになった。


「…アイツは…薫はどこにいるんだ!」


「土方君!…落ち着きなさい」


「……すまねぇ…薫と…何か話したのか?」


「いいや、見かけただけだったよ」


「………そうか」


 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ