桜歌(長編)完結

□桜と恋
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(危なかった…)
薫は車に揺られていた。
…と言っても実際は揺れてないが。
さっき車に乗るとき、ふと彼の…土方さんの気配がしたのだ。
本人が私かどうか気づいていたか分からないが、用心することにこしたことはないだろう。
明日彼が何か言ってきたら終わりだ。
だからと言って休むのも…。
そんなことを思っているうちに今日のパーティー会場に着いた。
どうも今日は総理以外にも大臣とか来るらしく…。
とりあえず下手な行動は出来ないだろう。
到着すると、すでに人はたくさんいた。
「久しぶりだねぇ薫君」
久方ぶりに聞く声に振り向けば、前回の依頼以来会っていない総理がいた。
「お久しぶりです、総理」
「あぁ、元気だったか?」
「えぇ、総理こそどうなんですか?」
ここのところいろいろと立て直そうとしているのが、この総理だ。
「まぁぼちぼちだな、そうだ薫君、君に会わせたい人がいるんだ」
「会わせたい人…ですか?」
そこに現れたのは前世で出会った彼らのうちの一人だった。
(……源さん……)
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