桜歌(長編)完結

□桜の始まり
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『学校の前に黒塗りの高級車がとまっている』
今教師達が騒ぐ理由。
それがこれだ。
だが俺の頭の中にはそんなこと入ってこなかった。
あの日。
アイツとあのとき前世で別れてから会ってはいない。
それはアイツらも変わらない。
アイツだけが唯一会えてないのだ。
アイツはこの世に来ていないのかもしれないから。
そう考えて暮らしてきた。
だってアイツなら俺らに会いに来るだろうから。


そんな考えを頭に巡らせていると、扉の勢いよく開く音がした。
「扉は丁寧に開けろ」
そう言った言葉など無視してそいつ…原田は机の前に立つ。
「土方さん、あの車どうも政府関係みたいだぜ?」
その言葉に眉間をピクリと動かす。
「なんだと?」
「どうもこの学園の生徒に政府関係のやつがいるみてぇだ、見たやつによると女の子らしいぜ?」
その言葉にびっくりした。
この学園の生徒は全員未成年。
全員と言うか数名未成年じゃねぇが、そいつらは男だ。
それにそいつは女ときた。
どういうことだ?




      
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