桜歌(長編)完結

□桜舞う
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桜舞う4月


これはその頃の


恋のお話



「薫!!起きなさいよ」
母の声が今日も家に響く。
私如月薫は今日から一応高校生。
今日は入学式で……ん?
入学式?
……って
えー!!!!!!!

「お母さん!何で早く起こしてくれないの!!」
階段をかけ降り、居間にいる母に叫ぶ。
これが昔からの私の日常。
「起こしたけど起きなかったのは貴女でしょ」
そう言われると反論出来ない。
「行ってきます!」



薄桜学園
それが私の通う学園名。
この学校にした理由。
それは前世。
私の前世、それは血に濡れた私の過去なのだ。
私が、いえ。
私達がたどった軌跡の道。
それに関わる人間がいるのだ。
そのためと言ったらそのため。
と言うか、出来れば彼らに関わりたくない。


あの頃の僕と今の私は違う


そう。
今の私は違うのだ。
あの頃と。
今の彼らに私が触れることは許されない。


だって私は


再び血に濡れたのだから




   
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