桜歌2

□春風と桜
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季節の廻り





それは儚い刻限





「………は?」

薫の指差した先にいたのは警視総監だった。

「あれが父親ですけど…挨拶します?」

少し苦笑気味で土方に語りかけると、土方はあり得ないといった表情で見ていた。
警視総監は警視総監で、何故か見下すように笑みを浮かべている。

「そりゃ本気か?」

「はい」

確かめるような土方の声色にひそかに微笑んだ。
あの男は嫌いだけど、土方の困った顔は嫌いじゃない。
普段見れない表情なら尚更。

「………すまねぇ、気が合う気がしねぇ」

「そうでしょうね、私も合いませんから」

そう言いながら二人で苦笑いをした。

「せいぜい楽しませてみろ」

その言葉にあの人らしいと微笑んだ。
照れくさいのか、絶対に素直にはならない。
そこだけは父親譲りな気がする。










 
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