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□寮の壁が薄くて困る。by翔
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寮の自室に帰ってくるなり隣の藍の部屋からとてつもなく気になる声が聞こえてきた。


『藍くんっ、やぁ…』
『ちょっと。寮の壁薄いんだから声抑えて。…君がショウやナツキに聞かせたいって言うなら別にいいけど』
『で、でも…っ声、でちゃ…んぅ』
『まぁ、君にそんな声を出させているのはボクなんだけどね』
『は…ん』
『全然声抑えられてないよ』


おいおいおいおい!藍のヤツ何してんだよ!しかも珍しくクスクス笑ってるし!?
そ、それに七海の声エロ…うっ…俺の息子が反応するじゃねぇか!壁が薄いんだからそういうのは…やめてくれ割とマジで。俺も俺でなに壁に耳押し当てて聞いてるんだよ!…これじゃまるで盗み聞きじゃねぇか。
その時、不意に部屋の扉があいた。


「ただいまー♪あれ、翔ちゃん早かったんですね〜」


げっ…今一番現れてほしくない男・那月!


「よ…よぉ…」


俺はゆっくり振り返ると那月は不思議そうな目で俺を見ていた。そりゃそうだ、壁に耳を当てていたんだから。


「何をしているんです?」
「えっあ、いや、…壁、そう壁!壁がひんやりしてて気持ちいいんだ!」


我ながらもっといい言い訳はないのか…情けねぇ。


「そうだったんですか〜翔ちゃんがやっているなら僕もやってみましょう!」
「いーや!お前はダメだ!」
「どうしてですかぁ?」


絶対面倒なことになるからだ!なんて言えるわけもなく。
そんな時…、


『そこ…や…ぁん』
『君はさっきからイヤしか言わないね。本当に嫌ならやめてあげるけど?』
『や、めない…で』
『…ボクは正直な君が好きだよ…ハルカ』
『いじわるしないで下さい…』
『どうして意地悪だと思うの?こんなにも君を好きなのに』


また何とも怪しい会話と七海のその…喘ぎ声が聞こえてきて…。
まずい。完璧那月にもこりゃ聞こえて…るな。目がすげぇ輝いているし…


「わぁ〜七海さんの声すごく可愛くて素敵です〜!」


俺の幻覚か?那月の周りに花が咲いて見えるのは。


「う〜ん、でももっと近くでたくさん聞きたいですね!行きましょう!」


確かに。七海の声やべぇクるんだよな…ってうぉい!今なんていった!?


「那月…今なんつった?」
「もっと近くで、七海さんの可愛い声聞きたいです!一緒に混ざりましょう!」
「おい!これを聞いて混ざろうなんてどーして思えるんだよ!」
「二人でラブラブもいいですけど、皆でラブラブしたほうが楽しいし、幸せになれます!何より気持ちいいですから!」


那月はあれか…?そういうプレイが好きなのか…?つか、そんなことしたら地獄を見るぞ那月!…ってもういねぇし!


「おい待て那月!」


俺は後のことなど考えずに慌てて那月を追った。









「藍ちゃ〜〜〜ん、僕もまぜてくださ〜〜〜〜い!」


追いついた時にすでに那月は藍の部屋に叫びながら入って行っていた。
部屋の住人の藍はというと…壁によりかかって膝を立てて座り、七海を跨らせていた。
そして七海の服をたくし上げて胸元に顔を埋めている…これは…死人が出るぞ…!
藍は七海の胸元からゆっくり顔を上げこちらを見て…視線だけで人を射殺せそうな殺気を放っている。藍の事だから目からビームでもでるんじゃねぇか…?
一方の七海はこちらを一瞬だけ振り向くとすぐさま真っ赤になって藍の首にしがみついている。
たくし上げられている服から露わになっている肌は透き通るように白く、ほんのりピンク色に染まっていて。凄く…そそられる。


「藍ちゃん!七海さん!僕もラブラブに混ぜてください!」
「…………バカじゃないの」


たっぷり5秒は間を開けて言った藍の第一声が「バカじゃないの」。うん、藍。お前は正しい!


「それに…隣の会話がうるさくてムード台無し」
「あ、あぁ悪りぃ…」


げっ、俺達の会話聞こえてたのか…て何いつもの癖で謝ってんだ!俺は!


「つか、壁が薄いんだから考えて…その…シろよ!」
「なんでボクがそんなの考えないといけないわけ?君たちが先輩に配慮してどうにかするもんでしょ」
「お…おぉぅ…」


うっわ…めっちゃ睨んでる…!年下の癖にすげー眼力に一瞬俺は怯んでしまった。


「ボクの言うことが理解できたら、さっさとそこのバカナツキを連れて3時間程何処かで時間潰して来てよね」


さ、3時間って!どんだけ楽しむつもりなんだよ!!!


「え〜僕も七海さんに触りたいです〜」
「ダメ。これはボクの。ショウ早く行って…じゃないと…」
「すぐ出ていきます!今すぐ出ていきます!!こら行くぞ那月!」
「そんなぁ…」


こんなことでペナルティを食らいたくない俺は指をくわえて羨ましそうに眺めている那月の腕を無理やり引っ張って藍の部屋を出た。


俺達が部屋を出た瞬間から藍は行為を再開したのか七海の声が漏れていて…。


…俺だって彼女の一人や二人とイチャイチャしてぇよ…チキショー…




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