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□藍と一ノ瀬トキヤ(拍手小話)
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次の仕事までの空き時間をボクは事務所に戻り、某動画サイトにて先日生配信されたレイジ、オトヤ、トキヤのユニットライブを見ていた。

そのサイトはリアルタイムに視聴者がコメントを書き込めることで有名なんだ。
で、トキヤが歌う部分だけやたらとこの言葉が書き込まれていて。


『テェァッwww↑」
『でた〜wぼちのせさんww』
『ぼっちwwww』
『ぼっち可愛いよぼっちww』


ぼっち…?って何?
どういう意味なんだろう?

【さぁラストさ!R!O!T!サンキュI love you! let's go!】

ちょうど曲が終わった時、ガチャリとシャイニング事務所の扉があいた。


「お疲れ様です、美風さん。」
「お疲れ様」
「…何をご覧になっているのです?」
「この前、生配信された君たちのライブ」
「あぁ、あれですか…」


うん?トキヤの声のトーンが少し下がった?


「ライブで何か問題でもあったの?」


直属の先輩ではないけれど、一応聞いておく。


「い、いえっ!なんでもありません。あ、コーヒーお入れしますね」
「…ボクは結構だよ。ありがと。」


あ、そうだ。ついでにさっきの言葉について聞いてみよう。


「ねぇ、トキヤ」
「なんですか」


自分用にコーヒーを注いでいるトキヤにボクは尋ねた。


「【ぼっち】って何?」


ガシャーーーーーンッッ
コーヒーソーサーとカップが激しい音を立てて割れた。


「ど、どどどどどどどうして私にそれを…?」
「君が歌う部分だけその言葉で画面が覆われるているんだ。弾幕ってやつだね」
「ひぃっ今や弾幕になっているのですか…!以前はそれほどでもなかったというのに…」
「…?ちょっと、心拍数があり得ないほど急上昇しているけど、大丈夫なの?」
「え、えぇ、すみません、少し取り乱してしまいまして」


そういってトキヤは割れた皿とカップを拾っている。


「まぁ平気ならいいけど。で、【ぼっち】って何?流行語…ではないようだけど」
「あんな言葉が流行してたまるものですか…!」


ん?今度は怒気が声に含まれている。
トキヤを怒らせる【ぼっち】ってどういう意味かますます興味がわいてくるよ。


「ぼっち…というのは…」
「と、いうのは?」
「私の口からは申し上げられません!すみませんが、寿さんか黒崎さんに伺ってください」
「…レイジやランマルに聞けば分かるの?」
「おそらく…というかほとんどが知っていると思います。わ、私は用事を思い出したので失礼します」


手早く床までふきあげたトキヤはそそくさと事務所を後にしたのと入れ替えにレイジが入ってきた。


「あれー!アイアイじゃーん!お疲れちゃ〜ん」
「…お疲れ」
「今トッキーとすれ違ったけど凄い剣幕だったよ?何かあったの?」
「何もないよ。【ぼっち】って何?って聞いただけ」
「ブフッッ」


ボクの言葉を聞いた瞬間レイジが噴出した。
そしてゲラゲラとお腹を抱えて床を転がっている。
…そこさっき、トキヤがコーヒーこぼした場所…ま、レイジだし、いいか。


「アイアイ、よりにもよってトッキーに聞いちゃったの!?」
「?そうだよ?」
「ぼっちっていうのはね〜、れいちゃんの口からも言えないな〜!ブフフっ」
「…?」
「ふふ、あーおかしいっ。ヒントを一つだけ。」
「うん」
「トッキーはさ、ST☆RISHの時でも基本一人で行動することが多いでしょ?」
「まぁ、そうだね」
「それが、ヒント」
「は?」


どういうこと?一人で行動することがヒント?
待てよ、一人で行動……


「まさか、一人ぼっちの略とかそういうの?」
「分かっちゃった?」
「別にトキヤは一人じゃないじゃない」
「そうなんだけどさ〜、ファンの子たちからはそのトッキーの行動を見てそうあだ名をつけているみたいだよ」
「ふぅん…?トキヤも一人ぼっちって言われて気にすることないのにね」


どう見てもトキヤの周りには彼を味方する人が多くいるし。
まぁでも気にしていたし、次あったらちゃんと謝ろう。


「ごめんねトキヤ。トキヤに聞いたボクが悪かったよ」って。

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