BASネタバレ有
□愛すべき後輩たちA
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【当日】〜カフェ〜
「後輩ちゃんやっほー!」
「わぁ〜おしゃれなカフェだ〜!それに可愛い飾りつけもしてあるー!なんだか俺、わくわくしてきちゃった!」
「美風先輩、七海、お早うございます。梅雨の時期だというのに二人の誕生日がこのように快晴で何よりです」
「…あぁ、七海君。あなたの今日の服装は地上に舞い降りた天使の様に愛らしいですね」
「ふん。このような庶民の宴など、本来ならば伯爵である俺が出席などせぬのだが…やはり我が祖国、シルクパレスのものと比べたら随分と貧相だな」
「あ!寿さんに、一十木くん、聖川さん!来てくださってありがとうございます!それから一ノ瀬さんも…!お仕事早く終わったのですね…て、あ、あの…一ノ瀬…さん?」
「…レイジ以外の皆来てくれてありがとう。だけどトキヤ、君は来るなりどうして彼女の手を握っているのかな」
「え!アイアイ?ぼくちんは?ぼくちんは?」
「ふふ、あなたの手はまさに【白魚の手】ですね。この可憐な指から私の曲が紡がれる…素晴らしいことです」
「え、えぇと…」
「ちょっと、彼女はボクの専属であってトキヤに曲は提供するわけがないでしょ。さっさと手離しなよ。彼女も迷惑がっているでしょ」
「う〜ん、まさかとは思うけど…れいちゃんアウト・オブ・眼中ってヤツ!?
トッキーも、いつものことだけど後輩ちゃん見るととたんに変態さんになるよねっ☆」
「トキヤずるい!!俺だって七海に触りたいのにー!え〜い抱き着いちゃえ〜」
「わー!ぼくちんの後輩二人ともダ・イ・タ・ン〜」
「きゃっ」
「オトヤ!彼女はボクのだよ。馴れ馴れしく抱き着かないでよね!トキヤも、いい加減手を離す!」
「痛い痛い痛い!藍先輩痛いよー!!耳引っ張らないで〜!!」
「ク…っ、み、美風さん…華奢に見えて結構力があるのですね」
「ハルカ、君も悪いんだからね」
「え?」
「君が気を抜いているから手を握られたり、抱き着かれたりするんだよ。いい?ボクの傍から離れないこと」
「はい、気を付けます!」
「うわー、アイアイ可愛い顔して独占欲つよーい!そんなんじゃ後輩ちゃんに逃げられちゃうぞ!」
「………」
「わわわっ!こ、こら!アイアイ!降ろしなさい!れいちゃんは投げる道具じゃないぞ〜〜…」
「美風先輩のお怒りの気持ちは分かりますが、今日は来栖と四ノ宮の誕生日です。大勢で祝った方が盛り上がるでしょう。寿先輩を投げては参加人数が減ってしまいます」
「あいたっ!腰!腰打った〜〜!優しく置いてよね!アイタタタ…」
「…マサトに感謝するんだね、レイジ。ところでカミュ」
「…なんだ」
「今日は何の日か知ってここにいるんだよね?」
「当然だ。貴様の後輩である来栖と四ノ宮の誕生日だろう」
「ならなんでそんな偉そうな顔で特製パフェを頼もうとしているのかな」
「ここのパフェは他に類を見ないほどの美味と聞いたからな」
「勝手な行動は困るんだけど。カミュがここのパフェ食べたいって事は既に把握済みで、ちゃんと後から出してもらうようにしてあるから。…まったく、我慢のできない子供みたい」
「貴様…今最後に何て言った」
「我慢のできない子供みたいって言ったんだけど」
「ほぅ…気に入りの玩具を独り占めするかのように女を独占している子供に言われる筋合いはないな」
「彼女はボクのなんだから独占するのは当たり前でしょ」
「そこがお子様だと言っているのだ」
「わぁっ!藍くん!来てください!聖川さんお手製ケーキが届いたので見てるんですけど、すごいですよ〜〜」
「あ、それは興味あるから今いくよ。…カミュ、どうしても甘いのが食べたいなら、あっちのテーブルにカミュ用に銘菓のピヨ子と練乳用意してあるから食べていいよ」
「ほぅ。美風のくせに気が利くではないか」
「別に。ボクとハルカの計画を壊されたくないだけ」
「…ふんっ」
「へぇ…これはナツキとショウの写真がケーキの上に乗っているの?」
「いえ、これは写真をスキャンして特殊な食用インクでプリントしたものなのでお召し上がりいただけます。このようなケーキがあるという事をつい先日知ったので挑戦した次第です」
「なるほど…それにしても随分大きいね。計測したところ45センチ×45センチの13号…5、60人前だけど」
「はい。折角の祝い事ですので盛大にしようと考え作成しました。若干大きすぎる気もしましたがこれくらいの方が盛り上がって良いかと」
「確かに。マサトはよく考えているね、感心したよ」
「お褒めに預かり光栄です」
「マサのケーキ美味しそう!俺、早く食べたい!」
「そう焦るな一十木。じきにあの二人も来るだろう」
「あ、それじゃあ私すぐ食べられるようにお茶の用意しておきますね」
「すまない、七海。そうしてもらえると助かる」
「はい!」
「…そろそろショウとナツキが来る時間だ。皆、予定通り二人が入ってきたらクラッカー一斉に鳴らしてね」
「まっかせなさーい!」
「見て見てれいちゃん!俺両手で8個クラッカー持ったよー!」
「…音也。両手でもったら紐を引けないでしょう」
「………あ!ていうかトキヤも8個両手で持ってるじゃん!」
「あなたとは違うのです。私は、自分の柔軟性を駆使して足で紐を引きますから」
「だからトッキー今日は裸足に革靴の石田○一スタイルだったんだね〜」
「仕方あるまい、一十木の紐は俺が引いてやろう」
「助かるよ〜マサ!」
「静かに!…二人が来るまであと…5、4、3、2、…」
続