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□snow white@
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「YOUタチ!!スノーホワイトの王子演じちゃいなYO!コレが台本デェース!!」
「おぉっ!すのーほわいとの王子!!!…って何?トッキー」
「…おそらく白雪姫に出てくる王子のことですよ、寿さん」
「oh,Mr.イチノセ!大正解ピンポンパン!」
「なるほどなるほど!」
「ちょっと。いきなり何なの」


本当、毎度のことながらシャイニング早乙女の突然の発表にはついていけないよ、ボク。
人の都合なんで一切お構いなしだし。
今回もいつも通り呼び出されたかと思うと、いきなり台本を渡された。


「イキナリではアーリマセーン!Mr.ミカゼ。
YOUたちに伝えるのが遅くなりマシタが前々から緻密に計画されていまシター!王子以外の配役はすべて決定済みデース」
「あのさぁ、それをいきなりって言うんじゃないの」
「細かいコトは気にしナッシングよ!で、今回YOUたちを呼んだのはぁぁああああ!」


はぁ、社長机の上に乗ってポーズなんかいいから早く続きを言ってよね。


「YOUが演じるスノープリンセスの相手役をオーディションで決めるためデース!!!」


びしっ!とシャイニング早乙女の指差した方向にいるのって…ボクの隣にいる…


「ハルカ!?」
「え!?わ、私ですか!?」
「YES!イエェエエエス!魔女役にはMs.シブヤを起用したので、ヒロインはYOU!ついでに劇中曲も作ってチョーダイ!」
「はぁ?!何言っているの!ハルカは素人中の素人だよ!何考えているの、シャイニング早乙女!」


身内だけの学芸会ならともかく、人前で演じるのに何でハルカなの!理解不能にもほどがあるよ!


「社長…っわ、私お芝居なんてとてもじゃないですけど…っ!」
「文句は受け付けマセーン!ちなみに肝心要の愛のキーッス!の場面では、リアリティを出すための多角度からカメラで撮影シマーッス!!
なので、本物のキッスをしてもらいマース!
オーディションは1週間後!以上!!」
「あ、ちょっ…!」


どこからか大量のスモークが噴出されてシャイニングは轟音と共に姿を消した。
せめて消える前にボクの質問に答えてほしいんだけど!


「はぁ、私たちST☆RISH6人と先輩たち4人で一つの役を争う…ですか…」
「あー、俺パス」
「翔ちゃん、憧れの王子役ですよ?」
「んー、だって絵本の王子って長身だろ?
悔しいけど俺じゃ王子らしさは出せねぇだろうし…」
「そうですかぁ…翔ちゃんでないなら僕もでません!」
「おい、俺に気ぃ遣ってんならやめてくれよ」
「そんなんじゃありませんよ〜」
「ふふ、俺はオーディション参加させてもらおうかね。レディの唇をいただくために」
「動機が不純すぎるぞ、神宮寺」
「おや?そういう聖川はどうなんだい」
「お、俺は決してその…(もごもご)」


トキヤたちの会話を聞いてレイジが面白そうに笑っていた。よくこんな状況で笑えるね。


「ふふっ後輩ちゃんとキスかぁ〜!これは中々おもしろそうだね?アイアイ」
「……まったく面白くもなんともないけど」
「ケッ誰がそんな役やるかってーんだ。ロックと正反対じゃねえか」
「ふん。私も遠慮させてもらおう」
「わぁ〜王子役やりたいな!俺!あ、でも七海とキス、するんだ…俺…」


何?今のオトヤのセリフ。聞き捨てならないんだけど。


「はぁ?まだオトヤに決まったわけじゃないでしょ」


ボクは無意識にそんなことを口走っていた。


「なになに〜、アイアイは参加するのぉ〜?」
「何でボクが…」
「ふぅん?僕は参加しよーっと!王子といえば嶺ちゃんにピッタリでしょ!
後輩ちゃんとのキスシーンもすっっごい絵になると思うしねっ」
「勝手にしたらいいじゃない」
「そっかー!アイアイがいたらちょーっと厳しかったけどトッキー達には負ける気がしないし、後輩ちゃんとのキスは僕がもーらいっ」
「奇遇ですね、私も寿さんには負ける気がしませんよ」


あぁ、イライラする。
ハルカが誰かとキスをする?
芝居なんだし、大したことじゃないのにどうしてこんなにボクはいらいらするんだろう。
こんなにイラつくくらいならいっそ…

「レイジ。誰がオーディション出ないなんて言った?」
「ん〜?」
「出るよ、ボク。レイジや君たちに王子なんて任せてらんないしね」
「アイアイが宣戦布告?めっずらし〜!」



ボクが王子役をやればいい。
もともとハルカはボクのなんだから。




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