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□藍たちの大晦日
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今日は大晦日!
藍くんのお部屋で年越しをするために、翔くん、四ノ宮さん、寿さん、一ノ瀬さん、一十木くんと私は年末恒例番組【絶対に笑ってはいけないUT☆PR24時】を見ていた。


【デデ〜〜〜ン!浜田―アウトー!】


笑うと数人の黒子にお尻を叩かれたりタイキックをされたりすることでその番組は有名で。


「ねぇねぇトッキーにおとやん!僕達もあれや…」
「やりません。絶対」
「楽しそうだけど少し痛そう…」


テレビを見ながらゲラゲラ笑っている寿さんと一十木くんの近くで一ノ瀬さんは読書をしながら時折画面を見ては小さく笑っている。
藍くんも翔くんも寿さん達とテレビを見ていたけど、四ノ宮さんが台所で作った何かを持ってリビングにやってきた。


「見てください!藍ちゃん!翔ちゃん!伊達巻ならぬピヨちゃん巻きです〜可愛いでしょう?」
「…何をどうやったら伊達巻がピンク色になるわけ?ナツキの作る料理はもはや人類が口にできるレベルじゃないよね」
「そもそもピヨちゃんって…ヒヨコだろ?それを卵で作ろうなんてずいぶんシュールなことやるよな」
「えへへ、上手にできたでしょ〜二人とも!味見してみてください!」
「ボクは遠慮させてもらうよ。その代り、ボクの分までショウが残さず食べてくれるから」
「ちょ!藍!後輩を売るなぁああああ…おい、まて那月!こっちくんな!あ…!そうそう、俺様は今腹がいっぱいで…」
「翔ちゃんあ〜〜〜ん!」
「むぐぐぐぐぐ…っ」


翔くんは四ノ宮さんに、四ノ宮さんお手製の「ピヨちゃん巻き」を食べさせてもらっていて。


「むぐむぐ…っおい、七海!そのナレーションおかしいだろ!!!誰が、誰に食べさせてもらってるって!?」
「ショウがナツキに」
「僕が翔ちゃんにあ〜〜んしていまーっす」
「ふがあああああああああああっ(し、しぬ〜〜〜〜〜〜!!)」
「あ、ショウが倒れた」


この前のすき焼きの時もそうだったけど、本当皆楽しそうだなぁ…


「デデーン!一ノ瀬―!アウトォォォオォオオオ!」


テレビを見ていた寿さんはデデーンの効果音とともに一ノ瀬さんに指を刺した。

「…は?」
「こ〜らトッキー!こんな大晦日まで読書禁止だぞぅ☆ということでケツバットの刑に処す!」
「れいちゃん!新聞紙丸めてバットっぽくしてみたよ!」
「おとやん!ナーイス!気が利くねぇ」
「音也も何寿さんに合わせているんですか!」
「だってその方が楽しいじゃ〜ん!」
「なるほど…確かにトキヤがお尻を叩かれるのはテレビ的には面白いかもしれないね」
「美風さんもノらなくて結構ですから!」


一ノ瀬さんは読んでいた本を寿さんに奪い取られて眉間にしわを寄せている。
私、一ノ瀬さんがお尻を叩かれるところ少し見てみたいな。なんていったらきっと怒られちゃうよね。
翔くんは倒れたまま起き上がってこないし…後でお水を渡そ…ふ、


「ふぁ…」
「ハルカ。眠いなら寝たらいいじゃない」
「へ、平気です…!今日は大晦日ですし…ふぁあ」
「全然平気そうには見えないけど」
「だ、大丈夫です…っ」
「ふぅん…」


なんて言ったけど…本当は物凄く眠い。年明け早々お仕事なんてしたくなかった私は年内のうちにすべて終わらせようと徹夜の日々が続いた。
それに藍くんと初めての年越しを絶対一緒に過ごしたかったし…だから…寝たくない…けど眠い…
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