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□私の隣で眠る彼
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藍くんは毎朝4時ジャストに起床する。私より遅くに休み、私よりも早く起床するので藍くんの寝顔を今まで何度かお部屋にお泊りしているけれど見たことがない。

そんな私はふとトイレに行きたくなって起きてからなんとなく寝付けずにいて、携帯で時間を確認すると3時50分だった。藍くんが起きるまで、あと10分。


「(…うわぁ、私が藍くんより早く起きてるなんて…!)」


ロボなのに規則正しい寝息をたてて横たわっている藍くんを私はここぞとばかりにじいっと見つめた。
だって…いつも藍くんに見つめられて恥ずかしくて顔をよく見れないんだもの。これくらいいいよね!それにしても…


「(ホント…藍くんってキレイだなぁ)」


ニキビやほくろ、毛穴一つなく、まつ毛はお人形さんのように長くフサフサ。鼻筋も通っていて…ロボとは思えない、人間そのものだよ。


「(彼が、私の…か、彼氏さん…なんだよね)」


藍くんが寝ていることをいいことに私は藍くんの頬に触れてみた。


「(わわっ…つやつやのぷるぷる…ゆで卵みたい…!)」
「ん……」


一瞬眉を顰めたので私はパッと頬から手を放したけど、藍くんが目覚めることはなかったので安心した私は更なる興味がわいた。


「(藍くんのダミーの心臓は寝ている時でも動いているのかな?)」


私はゆっくり藍くんにかかっている布団をめくり、心臓付近に耳をあてるとトクントクンとリズムよく心臓の音が聞こえてきた、と同時にフワリと温かい何かが私の頭に触れた。


「(すごい、寝ている時でもちゃんと心臓の音するんだ……ん)」


私の頭を撫でるこのぬくもりは…藍くんの手だ。
私、藍くんに撫でられると安心するから大好き……って、ん??
この手のぬくもりは藍くんに間違いないんだけど…、藍くんって確かまだ目覚めていなかったはずだよね?
ガバっと顔を上げ藍くんを見ると私の頭を撫でながら藍くんが私を見ていた。


「藍くん…!」
「ずいぶん…積極的だね…そんな君も嫌いじゃないけど」


寝起き(?)の甘い掠れ声で藍くんは囁くと素早く私を組み敷いた。


「あの…!」
「何?」
「い、いつから…起き、て…?」


藍くんは私の手を取り指を絡ませると、私の手の甲に音を立ててキスをした。


「…君が起きてボクの隣から消えた時」


ということは…


「まさか…」
「君がボクの顔をじっと眺めている時や頬を撫でている時、胸に耳を当てている時には起きていたよ」


そう言うと今度はおでこにもキスを落として。
どうしよう…私が藍くんにしたこと全部知っていらっしゃる…!あわわ…っ!そう思うと急に恥ずかしくなってきた!
私は藍くんの顔をまともに見ていられなくて横を向いたけれど藍くんに顎を掴まれてしまって。


「藍くん…?」
「誘われたからには…応えないといけないよね」
「誘ってなんて…!んぅっ…」


私の言葉は藍くんとの深いキスで遮られた。


「…ふ…っ」


角度を変えながら何度も何度もキスをしていると、だんだん私の頭がぼうっとしてくるのを藍くんは知っているのかパジャマの裾から手を入れ私の胸をブラジャー越しに揉む。
藍くんに触れられるのは好きだけど…下着越しじゃもどかしいよ…藍くん…。


「ん…っ」
「……物足りないって顔しているよ」
「え…?」


唇を離すも依然として胸をフニフニ揉んでいる藍くんはどこか楽しそうに私を見つめる


「…本当は今すぐにでも君とシたいけど…残念。今日ボクは早くから歌番組の収録があるからおあずけ、だね」


そう言いながら私の上から退いた藍くんは時間を確認して着替え始めたので私も起き上がろうとしたら手で制されてしまった。


「あぁ、君はまだ寝てていいよ」
「私も起きます」
「…いいから。ハルカが寝不足だとボクの曲に悪影響が出るからね」


私はベッドに押し戻しされ肩まで毛布をすっぽり掛けられると、まだ藍くんのぬくもりと香りがベッドに残っていて、まるでふんわり抱きしめられているかのような感覚に陥った。


「仕事終わったら連絡するよ。…おやすみ、ハルカ、良い夢を」


唇に触れるだけのキスを落として藍くんが部屋を出て行ったあと、私は急に瞼が重くなり再び眠りについた。




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