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□君とChristmas.
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25日のschedule
サンタとケーキと猫耳と。@

サンタとケーキと猫耳と。@は未完ですが、その翌日のお話なのでつながりはありません。







…今年も気がつけばもうクリスマス当日。

クリスマスイブの昨日はお世話になっている方々を招いてささやかなクリスマスパーティーを開いた。皆が来る前に、藍くんと…その…色々あったけど、来てくれた皆はそれなりに楽しんでくれたようで嬉しかった。

クリスマス当日は藍くんが生放送の歌番組があるので一緒に過ごせないから前日にパーティーを開いたんだけど…、分かってはいるけどやっぱり今日一人なのは寂しい。

歌番組では藍くんが一番最初だった。もちろん、リアルタイムで見たし録画済み!
でも、藍くんの歌を聞いてしまってから何となくほかの歌手さん達の歌が耳に入らなくて私は夜の街を散歩することにした。


「う〜…夜はやっぱり一段と冷えるなぁ…」


耳あて・マフラー・手袋・コートという重装備でもこの時期の寒さは身に染みる。
それでも藍くんの部屋で帰りを待っているよりは寂しさを紛らわせるかなと思った…けど、手を繋いで幸せそうに寄り添い歩く恋人達を見かけると部屋にいたほうがよかったかな、なんて少し後悔もして。


「いいなぁ…幸せそうで…」


恋人同士のそんなありふれた光景が、羨ましく見えたけど今の私には叶うことのない夢。だって、彼は国民的人気アイドルだから。
…来年は空けてくれると言ったクリスマス。
藍くんは約束を違えない人だからきっと覚えていてくれる。でも…今、この時を一緒にいてほしいと思ってしまうのは私のワガママ…だよね。


「…あ、雪…」


私は小さく身震いして空を見上げると、ひらりひらりと大粒の雪が舞い落ちてきた。


「…もう…どうしてこんな日に降るのかな…降るなら藍くんと一緒に過ごせる来年に降ってよね…」


一人で過ごすホワイトクリスマスなんて寂しいにもほどがある。
はぁ…藍くんがいないと私って孤独だなぁ…


「…こんなところで何しているの、ハルカ」


ふと、私の背後からとてもよく聞きなれた声がした。
まさか…だって今日は生放送で終わるのが23時過ぎだって…今、まだ19時すぎだよ?



「あは…寂しすぎて、藍くんの幻聴でも聞こえたのかな」
「はぁ?何言ってるの…それにとても冷えているし。まったく…こんな寒い日にぷらぷらしている暇があるなら大人しくボクの部屋で作曲でもしていなよね。君に風邪をひかれるとボクが迷惑なんだけど」


フワリ、と何かが私の頬を包んだ。それは手で…この手のぬくもりはいつも私に触れるソレと同じ。でも…


「だって、藍くんは今お仕事中ですから…ここにいるはずがありません」


私の鼓動が少しずつ早くなり、目元がじんわりと滲んでくる。疑いが確信に変わりつつあって。


「ボクもそのつもりでいたけど、急きょ出演順序が変わったんだ。本当は22時前の出番だったんだけどね」


ゆっくり声のする方へ顔だけ振り向くと、私が今一番会いたくて仕方なかった藍くんがいた。


「ほ、本当…?」
「はぁ…君に嘘をついてボクに何のメリットがあるの」
「だ、だって…会えるなんて…」
「何も泣くことないでしょ。それにほとんど毎日会って、連絡も取りあっているのに」
「それでも…っ!やっぱり今日は大事な日なんですっ」


身体ごと藍くんに振り返ると藍くんはため息をつきながら目元の涙を拭ってくれた。


「…ボクには、キリスト教徒でもないハルカにとってなぜ今日が大事なのかやっぱりよく理解できないけど、君が大事だと言う今日、こうして会えて良かったよ」


そうしてチュ、と瞼にキスをしてくれた。…って


「あ、藍くんっ…」
「何?」
「こ、ここっ…外ですっ」
「そんなこと知っているよ。部屋がこんなに寒かったら死活問題だと思うけど」


き、キス…!それに…!
藍くんは付けていた私の手袋を外して握ると、藍くんのコートの中に私の手と繋いだ藍くんの手を入れて。


「こうすれば分からないでしょ?」


なんていうけど、バレバレだよね…?でも、クリスマスに藍くんと手を繋いで街中歩ける夢がかなう日なんて来ないと思っていただけに凄くうれしい。あ、またじんわりしてきた…


「それに周りはカップルだらけでお互いの事しか見えていないよ。…って何また泣きそうな顔しているの」
「泣いてませんっ」
「泣いてる」


涙が零れ落ちないように滲んだ空を見上げると、さっきまで恨めしがたかった雪が今ではとても輝いてみえる…それはきっと今私の隣に藍くんがいるから。


「君が泣くのはボクの腕の中だけにしてほしいんだけど」


再びチュ、と音を立てて上を向いていた私の唇にキスが落とされた。



次ページは短いおまけです
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