【先輩orプリンスの話】

□大人げない【寿嶺二】
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アイドルになる前、一応…それなりに恋愛はしてきた。

だからこの七海春歌という子に恋をするなんてことはないと思っていたんだ。

相手はたかだか10代の子供。

あぁ、でもそんな子供に恋をした僕も大きな子供か。

いつのまにか春歌のひたむきさに惹かれていて、気が付いたら有り得ないほどのめりこんでいる。


「寿先輩」


君はそう言ってボクを呼ぶけど、
そんな他人行儀な呼び方じゃなくて…さ。


「んー?何?」


なんていつものようにおどけてみせる僕の裏を読もうとしない春歌。
そんな純粋な君だから周りの男どもは君を狙っている。

け・ど春歌の隣の座は僕…いや、俺だけの特等席で。10代のガキなんかにくれてやるつもりはないから。


「寿先輩、好きです」


知ってる。
春歌の体中から伝わってくるからね。
でも俺は好きとかそんなレベルじゃない。

好きという言葉で簡単に済ませられるほどの想いじゃない。
閉じ込めて、鎖でつないで、誰の目にも触れさせたくないくらいに俺は春歌を愛してる。

大人げないだろ?本当の俺を知ったら春歌は逃げるかな?まぁ…逃がすつもりはないんだけどね。

今もこうやって春歌を腕の中に閉じ込めているけど、それだけじゃ全然足りない。
このまま何もかもすべてを捨てて春歌だけを愛せたらどんなに幸せなんだろうか。


「先輩、苦しいですよ〜」
「あは、ごめーん☆春歌がかわいくてつい抱く腕に力入っちゃった♪」
「もぅ…先輩ったら…」
「ね、今日この後仕事終わったらさ僕の部屋で…朝までシよっか!」
「…?何をです?」


首を傾けてきょとんとする春歌。
何度もヤっているのに、なんて鈍感な子なの!


「そりゃ、恋仲中の男女が朝まですることと言ったら1つでしょ〜」
「…っ」


おぉ、真っ赤真っ赤。


「嶺ちゃん仕事はりきっちゃお〜っと!」


嫌というほど僕を体に刻みこんであげるからね、春歌。

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