【先輩orプリンスの話】

□お前が好きすぎて【来栖翔】
1ページ/1ページ


「ハルちゃんってほ〜んとかわいいですよねー!ムギュー!ってしたくなっちゃいます〜」
「わわっ、四ノ宮さんっ」
「言葉と行動が伴ってねぇよ!那月!もう抱きついているじゃねえかよ!」


那月は悔しいけど俺より身長があって、春歌を包み込める。

引き剥がそうにもコイツ意外と力強いから苦労するぜ。

でもよー、春歌も春歌でちったぁ抵抗しろよな!

つか…や、やっぱり女は…彼氏にはすっぽり包まれたいもんなのか?
春歌も那月に抱きしめられてまんざらでも…


「し、四ノ宮さんっ」
「ふふふっこのまま『お持ち帰り』して朝まで離したくないですねぇ〜」


おいまてコラ那月。お持ち帰りだと?
そんなことぜってーさせねーよ!
今日は俺が春歌を持ち帰る予定なんだからな!


「那月!いい加減放しやがれ!いつまで春歌にくっついてる気だよ!」
「ず〜っと、です!」
「ダメだダメだ!こいつは俺の彼女なんだから!!!」
「わぁ、翔ちゃん大胆ですね〜」
「しょ、翔くん…ここ、事務所…」
「へ?」


春歌に言われてあたりを見回すと確かにここはシャイニング事務所で。うげっ!!!


「ショーウ、ナツキ…どうしてここにいるの。君たちには今日1日の個人レッスンプログラムを用意しておいたはずだけど」
「あ、えっと…その」
「藍ちゃん!翔ちゃんをいじめないでください!
翔ちゃんはハルちゃんが大好きで大好きで藍ちゃんと二人にさせるのが心配でついて来ちゃっただけなんです〜!」
「おい!ばか那月!なにベラベラしゃべって…」
「それで?君たちにはボクが彼女に手を出すような男に見えるわけ?」
「そ、そういうわけじゃねぇけど…」
「ま、どっちでもいいけど。レッスンをさぼった罰は受けてもらうから覚悟してよね。
ナツキ、行くよ。今から君の個人レッスンを開始する」
「わ〜い!藍ちゃんよろしくおねがいしますっ」



そういうと藍は何故か那月のヤツを引っ張って事務所を出て行った。


事務所に残されたのは俺と春歌の二人だけで…
うわぁ…春歌、顔が超真っ赤…
つか、きっと今のおれの顔もそうなんだろうけどさ。


「う、嘘じゃねぇぞ」
「…え?」
「那月が言ったこと。藍、顔だけはいいからさ…その…二人だけになったらその、心配、というか…」


ぷっ


と噴出したのは顔を真っ赤にしていた春歌。
結構本気で心配してたんだけど?俺。


「美風先輩と二人の時、何話したと思います?」
「そんなの…俺が知るかよ」
「今日はいいお天気ですね。【はぁ、君は天気予報すら見ていないの?今日はこの後雨だよ】だけです」
「……今の、もしかしなくても藍の真似か?」
「はい!似ていませんでしたか?」
「全然似てねぇっ。つか藍がそれ見たらどう反応するか見ものだけどな」
「ふふ、ですから翔くんが心配するようなことは何もないですよ。これからさき、ずっと!」


そういうと春歌は俺に抱きついてきた。
くっそ…ここは俺が抱きしめるところだろ!


「悪りぃ、信用してないわけじゃねぇんだけどさ…どうも俺、お前のことになると頭が真っ白になっちまうっつーか」
「ありがとうございます」
「ん?」
「それぐらい、私のこと好きでいてくれてるってことですよね?すごく幸せですっ!」


その笑顔、反則すぎるだろ〜…
いちいち可愛すぎて困る。
だから心配しちまうんだけどさ。

でももう少し器のでかい男になんねーとな!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ