Royal Heart
□#02
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『「……あの/なあ」』
……。
見事にはもってしまった。
『あ、先に…』
「いや、君が…」
…。
『お言葉に甘えて、先にいいかしら?』
ルルはドラコに断りを入れた。
ドラコは嫌な顔一つせず「ああ」と言ってくれた。
『貴方の名前、なんて言うの?』
ルルがそう尋ねると、ドラコは一瞬驚いて、名前を名乗ってくれた。
「ドラコ。
ドラコ・マルフォイだ」
『そう。
ルルの名前も言ったほうがいいのかしら?』
問いかけると、「そうしてくれるか?」とドラコははにかみながら言葉を放った。
『ルルカ・クロッカス。
ルルって呼んで』
ルルは微笑んだ。
さて、まだ何も買い物をしていないと言うのにmomは何を道草食っているのだろうか。
「ルル、君もホグワーツへ行くのかい?」
『ええ、マルフォイ君も?』
「ああ。
それと、"マルフォイ君"はやめてくれ…。
恥ずかしい」
そう言うとドラコは顔を紅潮させ俯いた。
『わかった。
なら…、ドラコでいいかな?』
「ああ」
返事は短かったけれど、心に温かいものが溢れた。
「なあ、あの言い争いはどうも終わりを迎えそうにない。
僕と一緒に見に行かないか?」
『!!
niceideaよ!
ドラコっ』
言葉を言い終わると同時にルルはドラコに抱きついた。
するとドラコは、また顔を紅潮させた。
『さ、行きましょ』
「あ、ああ」
無意識のうちに繋がれていた手と手。
その手は、離さないと言うように固く、強く握り締められていた。