Royal Heart

□#02
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「さーて、何から買う?
ね、何から? 何から?」


ここに来るのは久々で、嬉しい気持ちもわからなくもないけども、ルルより目を輝かせてキョロキョロする必要はあるのかしら?


「あ、そだ。
まずはグリンゴッツへ行かなきゃ!
お金下ろしてないわ!!」


はー、もう何なのよこのアホmomは…。


「私ねっ、ここのトロッコ大好きなの!!
面白いわよ! ね、だから、ね? はやくー!!」


もう! どうしてこう子供っぽいのかしらっ。
不甲斐ない母親を持ったものね…。


あれこれ考えていたルルは、曲がり角から出てきた綺麗なブロンドの男の子に気付かなかった。


そして…



―ゴツッ


『いったあ!』


「いてっ」



ん?


痛みと共にルルはようやくブロンドの男の子に気がつき、直ぐ様頭を下げた。


『あ! す、すみませんっ。
少し、考え事をしていて…』


「き、気をつけろよ」


すんなりと許しを得たルルは嬉しそうにニッコリと微笑み頭を上げた。


すると、彼の頬は少し紅潮した。


「き、君は東洋人なのか?
いや、瞳はグレーか…」


『半分正解、ね。
ルルはハーフなの。
日本人とイギリス人のね』


彼は少し驚いていた。
そして、何かを言おうと口を開けたその時、


「ドラコ、何をしている。
早く行くぞ」


彼はドラコというのか…。
そう考えていると、もう一方から、


「んもう! ルルカったら何してたの、よ…」


momの声がした。
いつも緩やかなmomの雰囲気が氷のように冷たくなっていた。


「ほう、これは誰かと思えばクロッカスではないか。
久しいな。
ということは、この娘がそうなのだな。」


「あらやだびっくり、"ルッシー"じゃなあい。
相変わらず"オデコ"さんなのねっ」


「誰が"ルッシー"なのですか?
"万年最下位"さん」


「なんですって〜?!!
"万年2位"よりかはいいわよっ」


……。


『なあに、この低レベルな言い争い。
mom、いい加減子供っぽい挑発はやめて。
そして挑発に乗らないで』


「父上も、軽い挑発には乗らないでください…」


ルルとドラコが止めに入ろうとしても、止まる気配は一向にない。


『はあ、こんな不甲斐ない母親でごめんなさい…』


ルルがそう言って謝ると、


「こっちこそ父上が君のお母様に変なことを言ってしまって…。
すまない」


ドラコもそう言って頭は下げないが謝ってくれた。
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