御心のままに。

□正常になってはまた狂う歯車
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「……球磨川先輩、そろそろこの螺外してもらえません?」

『んー、』『だって外したら』『君は逃げるだろう?』

ご名答、そもそも逃げるために外してもらいたいんじゃないですか。

「…あの、何したら外してもらえますか?」

『そりゃあ』『君が-十三組に入ってくれたら、』『かな。』

球磨川のその言葉に、僕ー…奈半利廿日は思わず苦笑いで返した。僕としては、-十三組に入りたくない、入りたいわけがないんだけれどー…、僕は今壁に螺で固定され標本みたいな状態だ。いっそ、ここで標本にされてもいいの、かな。なんて、投げやりだぜ。

そもそも、僕がこんな標本にされてしまった理由はー、

15分程前に、遡る。


僕はいつものように箱庭学園周辺をうろうろして、時間を潰してた。今日の晩ごはんのことやら、そんなことを考えて。いやー、今となってはぼーっとしながら歩いてた僕も悪いのかなって感じがするなあ。まあそんなことは戯言だけれども。
そして僕は、まんまと奇襲に引っかかった。
あまり覚えてないけれど、睡眠薬でも嗅がされたのかね。まあそんなこと気にしても意味ないか。
はい次に意識が覚めたらなんとなんと目の前に某球磨川、そして僕は標本。
意識を取り戻しうろたえた僕が聞いた第一声は、球磨川の

『-十三組に入ってくれるよね?』

でした、めでたしめでたし。
そして今に至る、と。

…考えれば考えるほど嫌な状況です、助けてください安心院さん。



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