黒く、染まる
□明らかな感触
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「あーさーひっ!おーはよっ!」
遠目で見つけた大きいのにどこか頼りない背中にタックルする。
「っわ、お、おはよう」
「おいなまえ、ギターケース。」
呆れた顔で私にギターケースを差し出す大地。ああ、忘れてた
「ごめんごめん。ありがと」
「どういたしまして」
そう言って大地は私の頭を軽く叩く。また口角が。下げなきゃ。
「じゃ、俺四組だから」
「知ってる。じゃーね」
大地との時間が終わってしまった。あーあ、何で違うクラスなんだか。思わず溜め息を吐くと旭にその姿を見られた。
「……何だひげちょこ」
「ちょ、なまえまでひげちょこって呼ぶの?」
「やーいひげちょこやーいやーい」
べーと舌を出すと旭はうう、と悲しそうな顔をしたのでこのくらいにしといてやることにした。