ミズノオト

□9話
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「みなさん、合宿の写真プリントしてきましたよ」






屋上でお昼ご飯を食べてると江がそう言ってやって来た






「おー!見せて見せてー!」





江の周りに集まり、手に持ってる写真を床に置いた






『おおー!』


「わーいっぱいあるね!」


「はは、皆楽しそう!」


「あ、これみてー!ハルちゃん変な顔!」


『ぷぷっ…何があったのこれ』


「でも珍しくカメラ見てる」


「…なんですか、この美しくない写真は…!」





怜ちゃんはプルプル軽く震えながら一枚の写真を見ていた






「あはは、記念?」


「それよりこれ見てよ、真琴ちゃんの背中に何かいる!」


『どれ!?うわぁぁっ、なんかいるぅうううう!!』


「うわああああああああ!!!」


「ああ、それヒアルロン酸パック中の天方先生」


「ひらるろんさん?」
『ひなるろんサン?』


「ヒアルロン酸。」


「脅かすなよ、渚ー!」


「へへ、ごめんごめん。うわああ!」


「うわああああああああ!!!」


「うるさいですよ、二人とも。」


『うはははっ!怜ちゃんの寝顔もあるよ!』


「やめてくださいっ!」


「……」


『…遥?』





さっきまで無言(今も無言だが)だった遥が一枚も写真を取った。そこには凛が写ってた





『凛だー!』


「あ、これ鮫塚水泳部?江ちゃん何時の間に?」


「えっへへ〜ん、合宿2日目にちょっと偵察に」



『へぇ!江ちゃんすごいね!私も凛と似鳥きゅんに会いにちょこちょこ遊びに行ってたけど!」



「え…遊びに行ってたんですか!?」


「こんな男の群れの中に!?」


「何もされなかった!?」





皆がバッと顔をこちらに向けて玲ちゃん、真琴、渚の順番で問いかけた





『うん。他の皆とも仲良くなったぞ!』





まぁ、他の男子が話しかけてくる時は凛の顔が怖かったけど。
…つーかその男子を睨んでたような気がする





『それより、この写真頂戴江ちゃんっ!!』


「え、いいですけど…」





ということで部長さんと似鳥きゅんが写ってる写真をゲットしました。







「またあの部長に色仕掛け?」


「色仕掛けじゃない!写真だけじゃなくてデータもばっちり!渚くんがエントリーしてるブレの100と200はこの人たち。真琴先輩のバックはこの人たち、怜くんのバッタはこの人。それぞれの選手の泳ぎ方の特徴やこの秘密のデータブックにまとめておきますね、大会までに!」



『わぁ…すごいねぇ〜』


「ちなみに、お兄ちゃんは、」
「フリーの100」



「…そう。他の種目にはエントリーしないで遥先輩との対決一本に縛ってるみたいですよ」



『遙と凛の勝負かぁー!楽しみだね』



「……」





遥が持ってる写真ジッと眺めていると風がきて飛ばされてしまった





『あ…』








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