ミズノオト
□8話
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「じゃ、次は僕!隠し芸やりまーす」
すると渚はテチテチと横に跳ね歩き始めた
「なんだそれ」
『…?』
「わかるでしょー」
「「ん?」」
皆の頭にハテナマークが浮かんでます
「岩鳶ペンギンの真似だよぅ」
「どこが?」
「全然わかりません」
『ただトイレ行きたいだけかと思った』
「う、うえー!?なんでわからないの!?これ、これー!」
一生懸命見せてたが皆はやはり頭にハテナを浮かべていた
「ぷっ」
「あ、真琴ちゃん!やっと笑ったね」
「え?」
「良かった。なんか真琴ちゃん落ち込んでるみたいだったから」
「ごめん、心配かけて」
『真琴大丈夫ー?』
上を見上げると大丈夫、と言って私の頭を撫でた
「あの……気になっていたんですけど、僕を助けようとしてくれたとき……いつもの真琴先輩じゃなかった気がしたんですが……」
『……。』
「その話はもういいだろ」
「ですがっ!」
「ほっといてやれ!」
『遥…』
「ありがとう、ハル。大丈夫だよ。やっぱり2人には言っておきたいから………あの時、急に怖くなったんだ」
真琴が語り出しすと2人は真剣にそれを聞いていた
隣町の小さな漁港に、子供のころよく遊びに行ってた。そこに、優しい漁師のおじいさんがいて、時々あそんでもらってた。
夏にその漁港の近くにお祭りがあって、金後救いがしたかっがお小遣いを使い果たしちゃって。ゆらゆら泳ぐ金魚をずっとみてた。
そしたら、いつも遊んでくれたおじいさんが真琴に取ってきてくれて、凄く嬉しかった。
でもその夏の終わり、すごい台風が来て、そのおじいさんが乗ってた船が沈んだ…。
「乗っていた人が何人もなくなった。
船が沈んだのは漁港から3キロくらいおきにったところだった
3キロなんて、俺たちが泳いでる距離なのに・・・悲しいというより、怖くなった。
ちゃんと餌もやって、水も変えてたのに、金魚も死んでしまった。それ以来海がこわくなった・・・なんだか、海野中には得たいのしらないなにかが潜んでるようにおもって……」
「もういい、真琴」
私は膝の上に乗っかってた真琴の手をぎゅっと握る
「それなのに僕達を助けようとしてくれたんですね…」
「ねぇ。一つ聞いてもいいかな?どうして海が怖いのにこの合宿に来たの?」
「泳ぎたかったから。皆と…泳ぎたかったから。それに、この4にんで…いや、5人で泳いだら…どこまでも行けそうな気がするんだ」
真琴がニコッと微笑んでそう言うと皆は目を見開いた
『…私の事付け足したよね、真琴くん』
「ははっ、ごめん』
『もーっ…なんで女に生まれたのかなぁ。男の子だったら皆と大会に出られるし、筋肉付くし、イケメンになれたのに」
「最後関係あります…?」
「そんなのだめだよ蒼ちゃんっ!!」
『へ?』
いきなりすごいスピードで私の元まで来て両手を握りしめた渚
「蒼ちゃんが男の子になったら僕ホモになっちゃう!!」
『?…ほも?なんで?』
「ああぁ、気にしないで!ほら蒼っ外見て!」
窓の外を見てみると雨が止んでいて、皆で出ることにした
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