銀月短編

□死神
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銀時は、顔を歪め、潜んでいる物陰から様子を伺った。
「どこに行った?捜せ!」
ちりじりに消えていく影を銀時はとっさに数えた。
物騒な怖い顔したヤツらは残り五匹。
対して死にかけ俺一人。
どう考えたって分が悪い。
ああ。
今度ばかりはちょっとマズイかもしれねーな。
足元に自分の血が流れ出て溜まっているのが分かる。
背が寒い。
誰も居ない。
孤独感が銀時を貫いた。
バカな、と思う。
死ぬなら一人でいいじゃねーか。
新八と神楽は取りあえず逃がしたし。
あいつらなら大丈夫だろう。

もういいじゃねェか。
充分よくやったよ。
臆病者にしては。

今。
死ねば。
みんな泣いてくれるだろう。
そのうち忘れてくれるだろう。

アイツだって。
少しは泣いてくれるだろう。
そのうち忘れてしまうだろう。
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