銀月短編

□五感
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目に映る黄色と赤のグラデーションに歓声が上がった。
今日は、ひのや一行と万事屋一行で紅葉狩りへと紅葉で有名な江戸近くの渓谷までやって来ていた。
完全に物見遊山だが、一応は、ひのやから万事屋への依頼の形となっている。
日輪と晴太を見物に連れていってやりたいと月詠から相談を受けたのが、3日前。
銀時としては、依頼じゃなくとも一向に構わなかったのだが、月詠が依頼の形にこだわった。
どうやら、万事屋の経済状態を気にかけてくれたようである。
情けない、とは思いつつもジリ貧なのは確かなので、有難く依頼として受けることにした。
その上、神楽と新八も一緒に連れて来いと言われて、さすがに銀時も戸惑った。
晴太のお守りじゃ、と月詠は言ったが、あのこまっしゃくれたガキに守りがいるとは思えない。
神楽と新八をたまには遊山に連れ出してやろうという意図が見えて、銀時はこっそりため息をついた。
重ね重ね、情けない。
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