銀月短編

□ザレウタアソビ
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布団の上で寝転がった銀時の髪をもの珍しげに月詠は弄んでいた。
自身の真っ直ぐな髪とは違って興味深いのだろう。
指で引っ張っては離してみたり、指に巻きつけてみたり、おもちゃを与えられた子どものように楽しんでいる。
腕を伸ばして引き寄せようかとも思ったが、月詠が楽しそうなので、銀時は黙っておもちゃにされていた。
月詠の指の感触がそれなりに気持ち良かったせいもある。
「銀時、髪、伸びたか?」
不意に月詠が尋ねてきた。
そう言えば、最近、床屋に行った記憶がない。
「んん、ああ、最近切ってねーわ」
金欠で行くに行けないという理由もある。
「じゃあ、わっちが切ってやりんす」
「散髪なんていつでもできるってぇの。夜は他にヤルことがあんでしょ?」
ニヤリと笑って言う銀時に月詠が冷たい視線を投げかけた。
「ない」
「冷たーい。月詠が冷たーい」
月詠は銀時の言葉を無視すると、すくっと立ち上がり、押入れの小箪笥を探り出した。
「まあ、これで良いか」
と呟く月詠の手を見れば、緋色の長襦袢が握られている。
「何そのエロい襦袢は?」
「なんぞ敷かねば、髪が散りんしょう?」
「畳に敷くより、それ着た月詠を組み敷きたい!」
「黙りんす」
ギロリと睨まれ、銀時は口を閉じた。
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