銀月短編

□旬魚と食欲
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「銀さん、こっちの大根、洗って皮剥いといてくれ」
「おう」
今日は小料理屋の下働きの仕事だった。
宴席の仕出しの準備に手が回らないとSOSがあったのだ。
この小料理屋の板長がたまたま銀時のパチンコ仲間だったため、頼まれた。
追い回しの小僧が、風邪にやられて寝込んでしまったらしい。
食べ物を扱う手前、風邪っぴきの人間は使えねぇと万事屋に依頼があったのだ。
万年閑古鳥が鳴いている万事屋でも偶さかにはそういうこともある。
もともと、花見の時期などに何度か手伝ったことがあったため、話は早かった。
銀時は元来、器用な性質だったし、新八は単純な作業も細かい作業もあまり苦としない。
神楽は…まあ、本日は万事屋で留守番である。さんざんに文句を垂れられはしたが、想像するだに恐ろしいので、置いてきた。
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