銀月短編

□永劫の夜
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……この先も、未来永劫、俺のモンだ。


昼なお薄暗いだだっ広い倉庫の中、俺と新八と神楽は、攘夷志士くずれのゴロツキたちに囲まれていた。
新八の背には、薬で眠らされた幼い娘がおぶわれている。
いったい何でこんなことになったんだ?
そもそもの依頼は迷子探しだったはず!
俺が何したっていうの?!
日頃の行いを悔いようにも、悔いるほどの事すら、成してないってのに。
しかし、ただの迷子探しがこんなことになるとは、ある意味すげぇや。
早い話が、迷子なんかではなくて、拐かし。
それも組織による人身売買目的の。
気が付いたときには既に遅かった。
まあ、気付いたとしても同じことだったか。
問題は今の状況だろう。
ゴロツキたちの数は、20人いるかいないか。
子どもをおぶった新八の行動が制限されるにしても、まあ、なんとかならない数ではない。
問題は、子どもがあと一人いたこと。
ばっちり、人質に取られてしまった。
まだ少女とも呼べないような子どもに刃をつきつけられて、俺らは身動きが取れなくなっていた。
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