銀月短編

□銀色の軌道
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銀色の軌道

「銀ちゃん、どっか遊びに行ってくるアル」
「邪魔だから、出てって下さい!あ、でも6時には戻って来て下さいよ」

昼過ぎに万事屋を追い出された。
いい年して、誕生日パーティーもないだろうとは思うのだが、子供たちが嬉しそうだったので何も言わず黙っておいた。
祝える方も楽しいことくらいは知っている。
とは言え、いつもの如く、財布の中身は素寒貧もいいところでパチンコで暇を潰すこともできない。
こんな時、足が向くのはやはりあの場所。
ただで飲み食いできるから。
(一応)救世主であるからして扱いは悪くないから。
断じて、あの女に誕生日を祝ってほしいとかそんなんじゃない。
様々な言い訳を頭の中で繰り返しながら、銀時は地下の町、吉原桃源郷へと向かっていた。なんで言い訳が必要なのかは置き去りにして。
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