銀月短編2
□a loose diamond
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どうして、こんなことになったのだろう?と沖田は月詠の部屋で珍しくも考え込んでいた。
問題はいろいろある。数え上げればキリがない。
中でも、一番の問題は、自分がパンツ一丁でぼーっと突っ立っている、ということだ。
そしてもう一つの問題は、自分がパン1で突っ立っている傍に月詠がいるということだった。
……変な柄パン穿いてなくて良かった。
まさか隊服を脱ぐことになろうとは、流石の沖田も考えてはいなかった。
「姐さん、まだ心は決まりませんかい?」
「もう、ちょっと、待ってくれなんし」
怪しいといえば、怪しいことこの上ないシチュエーションである。
「もうどれでもいいんで」
「そうはいかん」
むぅと考え込む月詠の前には男物の着物やら襦袢やら帯やらがちょっとした山を作っていた。
「こっちではぬしには渋すぎるし、こっちでは粋すぎる。やはり爽やか路線か…。では襦袢はこれか、いやでも…」
ぶつぶつと呟きながら、またも迷いの袋小路に入り込んでしまったらしき月詠に、沖田はため息をついた。