銀月短編2

□放埓と野蛮
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気が付いた時には既に遅かった。
女は、グビグビとラッパ飲みで酒を飲み干した後、プハーと息をついて、手の甲で唇を拭った。
いつも一番の被害者となる銀時はもちろんのこと、皆の血の気が一気に引いた。
楽しい筈のお花見の場が、凄惨な惨劇の場に変じようとしている気配を察して、日輪、晴太、神楽、新八の四人は銀時を生贄にすることを目で確認し合うと、その場を逃げ出した。
「銀さん、月詠のことお願いね!」
「銀さん、月詠姐のこと頼んだよ!」
「銀ちゃん、死ぬなヨ!」
「銀さん、武運長久祈ってます!」
「おい、コルア!待て、テメーら、俺だけに任せる気か?!コノヤロー!!」
泡を食ってその後を追いかけようとした銀時の襟首をムンズと月詠が掴んだ。
にへら。
悪魔の笑顔がその顔に浮かぶのを見て、銀時は観念した。
ああ。ジャッキー。
酔えば酔うほど強くなる、なんて嘘っぱちだと思ってました。
ジャッキー、謝るから俺を許してェェェ!!
ここに居ましたー!!
ザ・酔拳んんん!!!!!
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