銀月短編2
□どこにいても
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昨日、初めて。
他のヤツの口から。
アイツの話を聞いた。
屯所帰りのアイツとばったり出会ったから。
お妙と九兵衛とアイツでファミレスに繰り出して、散々くっちゃべっていたらしい。
他のヤツの口からアイツの話を聞く、なんて。
思いもよらないことだった。
梅が見ごろだと言って、月詠を誘い出した。
地上側のエレベーターのところで待っていた銀時を見るなり、月詠は、怪訝な顔をして
――新八と神楽はどうした?
と言って、辺りを見回した。
予想してた通りの反応に銀時は苦笑した。
『行くぞ』とだけ告げて、先に歩き出せば、なおも怪訝な顔をしながらも月詠は着いて来た。