return
□標的3
2ページ/5ページ
『や・・・やっと着いた・・・』
「取り敢えず応接室に行くよ」
休む間もなく歩き出す。
『そういえば、私ってどこのクラスになったんですか?』
ツナ達と一緒ならいいなと思い聞いてみる。
「あぁ、1-Aになったよ。なんか他にも転入生がいるらしくてね。ついでに与魅もってね」
『ついでって、もっと言い方ないんですか?』
ん?
今他にも転入生がいるって言ってたよね。
もしかして・・・
すごく聞きたいけど、今聞いたら確実に怪しまれるよね。
疑問を口にはせず、後からの楽しみにとっておく事にした。
応接室に着き、他の風紀委員に挨拶をして草壁さんに校内を案内してもらう。
『草壁さんも大変ですよね。あんな暴君に従わないといけないなんて』
「そんなことありませんよ。恭さんはある意味純粋な人なんです」
『それはなんとなくわかります。この間なんて、ハンバーグの為に必死に感情抑えてたりしてたんですよ!あの時の雲雀さんはなんか可愛かったです』
クスクス笑いながら言うと、草壁さんは驚きの表情をする。
「一緒に食事されたんですか?」
『はい。とゆうか私、雲雀さんの家にお世話になっているので家事くらいはしないと』
そこまで言うと、さらに信じられないという表情になる。
「あの恭さんが・・・。一体何をしたんですか?」
『へ?普通に勝負をして私が勝っただけですよ?』
「なっ!?」
『何はともあれ、これからよろしくお願いします。何かあれば相談くらいは乗りますから』
お互い頑張りましょうと笑顔で答える与魅に、混乱して返事が出来ない草壁。
与魅は気にせずに応接室へ戻っていった。
「校内の案内は終わったの?」
『はい。以外に綺麗な学校で驚きました』
「僕がいるんだから当たり前でしょ。無駄口たたいてないで仕事してよ。」
不機嫌そうに答える雲雀の前には大量の書類。
つまりこれを片付けろって事か。
『わかりました。2/3くらいください』
書類をお受けとって、どんどん片付けていく。
『(こんなのレポートに比べれば簡単だよ)』
ものの10分程度で溜まりに溜まった書類を片付ける。
『んー。終わりましたね。ってもうこんな時間!?私教室行ってきます!』
雲雀が一言も発しないうちに与魅はバタバタと出て行く。
「騒がしい子だね。でも
面白い・・・。」
綺麗にまとめられた書類を見ながら、雲雀はクスッと笑い呟いた。