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□標的1
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『・・・・あれ?ここどこ?』


少女 夜咲与魅は、辺りを見渡した。


どっかの社長室のような場所。その室内のソファーの上にいた。


『(なんとなく見覚えがあるようなないような・・・)』



う〜んと唸っていたが、ハッとする。

自分はビルから飛び降り自殺をはかったはずだと。


体を見る限り傷一つ無い。

しかしその体に違和感を感じ、ふと棚のガラス戸に目を向けると驚愕した。



『・・・・若返ってる』



本来私は大学生なのだが、ガラスに映っているのは中学生頃の自分だった。


訳が分からず目を白黒させていると、ガチャッと扉が開く。




「・・・・・君、誰」



声がする方へ顔を向けると、目を見開き思わず二度見してしまう。


漆黒の黒髪、学ランを着ていて腕には風紀の腕章、切れ長な瞳




『え、え、もしかして・・・雲雀さん?』


「何で僕の名前知ってるの」

ものすごく不機嫌そうに与魅を睨みつけ、トンファーを取り出した。



『ほ、本物ですか!?』

興奮気味に言う与魅。

それもそのはず。
大好きな漫画の一番好きなキャラが、画面越ではなく目の前にいるのだ。

与魅は少しずつ雲雀に近づいて行く。


「何訳の分からないこと言ってるの。さっさと質問に答えなよ。」


そう言って雲雀はトンファーを振りかぶる。










パシッ




「!」



与魅はいとも簡単に攻撃を受け流す。


「へぇ。中々やるね」


雲雀の口元が緩み、再び攻撃を仕掛けてくる。


『(でもどういうこと?)』

自殺を図ったはずなのに生きていて、目の前には雲雀さん。
見たことがある気がしたこの部屋は、差し詰め応接室だろう。
つまり、私はリボーンの世界にトリップしてしまった?



『(そんな・・・









そんな美味しい話しあっていいの!?)』




考え込みながらも与魅は、連続する攻撃をかわしている。


「人のこと無視して考え事?僕を馬鹿にしてるの?」

『あ、すいません。忘れてました。』

「・・・・・噛み殺す。」



攻撃スピードを一層早めてくる。


『あー。本当すいません。私は夜咲与魅で、名前知ってるのは雲雀さんはある意味有名ですから。』



攻撃をかわしながら、トリップしたことはあえて伏せて答える。




「そんなことは、もうどうでもいいよ」

『(聞いといて酷くない?)』



そう思っていたが、ふと名案が浮かんだ。









  
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