君と見るキセキ
□第8Q
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バックチップ
相手の背後からボールをカットする技であり、ファウルをとられやすいプレーでもある。
『ファウル取られなかったのはテツヤの技術なのか、気付かれてないのかどっちなんですかね？』
「そ、それはどうかしら・・・。まあ、なんにしてもあの影の薄さで後ろから来られたら、流石の黄瀬君でも反応しきれないわよ」
「お前がどんなすげえ技返してこようが関係ねぇ。抜かせるのが目的なんだからな」
そう言い、火神はシュートを決める。
「おおお！ナイッシュー！」
「誠凜また追いついてきた！？」
「・・・やっかいだなクソ。ダブルチームの方がまだましだぞ」
海常メンバーに焦りの色が表れる中、黄瀬だけは違った。
「そんなの抜かなきゃ良いだけじゃないスか。誰も言ってないスよ・・・・
外がないなんて」
3Pラインからシュートモーションに入る。
脚力があるわけではない黒子に、到底カットすることは出来ない。
しかし・・・
『だから言ってたじゃん。1人じゃなく、2人なんだって』
「・・・・・・！？」
バゴッ
やられた・・・・！
つまり平面は黒子っちが、高さは火神がカバーするってことスか・・・！？
『3Pはモーションに時間かかるからね。しかも、この流れを作ってるのは1人では激弱なテツヤだもん。相手の精神的負担も半端ないはず・・・。これだから、バスケって最高でやめられない』
両頬に手を添えてウットリする忍。
ベンチに控えている誠凜一同がやや引いていたが、火神が速攻を仕掛けて再びコートに目を向ける。
『・・・・・テツヤ危ない！』
ガッ
「あっ！？」
『テツヤ！』
「黒子君！」
振り返りざまに、黄瀬の腕が黒子の顔に当たってしまった。
すぐにレフェリータイムに入り、忍が一目散に黒子に駆け寄る。
『テツヤ・・・・！すごい血出てる！』
「大丈夫か！？」
「フラフラします」
『んなこたどうでもいいんだよ！光樹は救急箱！寛は綺麗なタオル2.3枚持ってきて！浩一はベンチ片して横になれるようにして！』
「「「は、はい！」」」
『テツヤは立たないで座れ！』
「大丈夫です。まだまだ試合はこれからで・・・
しょう・・」
『危な・・・！だから座りなさいってば！』
フラついた黒子を忍が寸前のところで受け止める。
「黒子ォーーーーー！！」
『叫んでないで順平先輩もテツヤ運ぶの手伝って下さい！』
「あ、俺が手伝うよ」
『俊先輩ありがとうございます！頭ぶつけてるのでなるべく揺らさないように・・・』
伊月に手伝ってもらい、ベンチへ向かう。
この時日向が、美味しいとこ持って行かれたと思ったのは誰にも秘密・・・・