君と見るキセキ
□第6Q
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『このままじゃダメだ。涼太を止めても他が決めてくるだろ。なんかないかなぁ。涼太の模倣は驚異だけど個性ないよなぁ。そういえばテツヤは模倣しないな。あ、派手だから出来ないのか・・・・』
「ちょっと。なにブツブツ言ってるのよ」
『あ、すいません。考え事してると独り言増えるんですよ』
そう言うと、また自分の世界に入る忍。
リコが呆れて見ていると、忍の動きが止まる。
『そうか・・・いや、でも。・・・やってみる価値はあるか。やるなら第2Qから』
一方試合は、忍が初めに予想した通りに展開する。
「・・・やんなるぜまったく」
ため息を付き、笠松は3Pラインから飛躍しシュートを決める。
「海常レギュラーなめてんのか?ヌリィにもほどがあるぜ」
「ふぅ・・・ったく・・・しんどいね・・つくづく」
『案の定・・・って感じか・・・・・』
試合が進むにつれ、黒子の存在も着実に認知されだす。
その証拠に、スティールが増えている。
「なるほど・・・少しずつ慣れてきたかも」
「くそ、ジワジワ差が開く・・・」
『・・・』
「アウト・オブ・バウンズ!白ボール!」
「そろそろ認めたらどうっスか?今のキミじゃ“キセキの世代”に挑むとか10年早えっスわ」
「なんだと・・・!?」
「この試合、もう点差が開くことはあっても縮まることはないっスよ」
ピクッ
「チームとしての陣形や戦略以前に、まずバスケは体格のスポーツ。誠凛と海常じゃ、5人のスペックが違いすぎる」
ピクピクッ
「唯一対抗できる可能性があったのはキミっスけど、だいたい実力はわかったっス」
・・・・
「ポテンシャルは認める。けど俺には及ばない。キミがどんな技をやろうと、見れば俺はすぐ倍返しできる」
「どう足掻いても俺には勝てねぇっスよ。ま、現実は甘くないって事っスよ」
「くっ・・・・」