君と見るキセキ
□第5Q
2ページ/3ページ
『おらおら!気張っていけよ!』
「たく、忍はいちいちうるせんだよ」
「火神君!」
「あ!」
忍の声に気を取られ、火神はもろにスクリーンをくらってしまう。
笠松から黄瀬にパスがまわった。
『!・・・あれは』
「こっちもアイサツさせてもらうっスよ」
ガシャ!
「「「おおおおお!」」」
さっきの火神のフォームそのままのダンクを決める。
「バカヤロー!ぶっ壊せっつったろが!」
「いって!スイマッセン!」
そう言って蹴りを入れる笠松だが、忍は冷や汗を流した。
『わかってはいたけど・・・やっぱり凄い。計算してたから壊せたけど、確実にパワーは涼太が上をいってる』
それは本当に壊せそうな勢いで・・・
「女の子にはあんまっスけど・・・
バスケでお返し忘れたことないんスわ」
「・・・・上等だ!黒子ォよこせ!」
笠松の脇をかいくぐり、黒子から火神にパスが渡るとすぐさまダンクが決まった。
『リコ先輩、これはマズいです』
「ええ、こんなのノーガードで殴り合ってるようなものだわ」
試合開始から3分で点数は16対17。
かなりのハイペースで試合が進んでいた。
しかも、得点源である火神がシュートを決めると同じ様に黄瀬が決める。
とんだじり貧状態だ。
『それもあるんですが、大我頭に血のぼりすぎです。それに、テツヤのミスディレの効力もこのままだと・・・』
「どういうこと?」
『取り敢えずタイムアウトとって下さい』
「・・・そうね」
このままでは良くないと、タイムアウトを取る。
「とにかくまず黄瀬君ね」
「火神でも押さえられないなんて」
「もう一人付けるか?」
『てかその前に大我。歯食いしばれ』
「は?」
バチーン!
「いってー!何すんだよ!」
食いしばれと言ったにも関わらず、食いしばる前に全力で平手打ちを入れる忍。
『頭に血のぼりすぎ。これで少しは冷めただろ?』
「な!別に血のぼってなんか・・・」
『のぼってんだよ馬鹿者が。一人でつっぱしんな迷惑だから。今のままのお前はいない方がいい』
「ちょっと!言い過ぎよ!」
『黙って下さい。こういうバスケが1番嫌いなんですよ』
し ん・・・・
『まあ、それは置いといて。テツヤ、ミスディレの効力切れてきてない?』