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□標的7
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『あれ?ツナに山本、それに獄寺君まで呼ばれていたんですか?』

「ちゃおっす」

「リボーン!与魅まで呼んでたのかよ!?」




今朝リボーンに、放課後プールまで来るように言われていた私は言い付け通りに来たわけだが



『で、呼び出した理由はなんですか?風紀の仕事がまだ残っているので早めに済ませたいのですが』

「獄寺のヤツがグズッてな。入ファミリー試験をして納得させるんだ。ちなみに山本はやる気満々だぞ」





そう説明するリボーンだが、与魅は眉をしかめた。




『面白そうですが、風紀の仕事やらないと後々雲雀さんが面倒くさそうなので・・・』

「それは大丈夫だぞ。与魅を鍛えてくるって言ったら嬉しそうに了承してくれたぞ」

『(い・・いつのまに!?)あー、それなら私も参加させていただきます』

「よし、そうと決まれば早速開始だ!試験は簡単だ、とにかく攻撃をかわせ」




そう言ってナイフを投げるリボーン。
山本はそれを避けるが、ツナが黙ってはいなかった。




「ま、待てよリボーン!本当に山本を殺す気かよ?」

「まあ待て、俺らもガキの頃木刀で遊んだりしただろ?いーじゃねーか、付き合おうぜ!」

『ブフッ!』




山本の天然っぷりに与魅が思わず噴出す。
しかしツナは何を言っても遊びだと思ってしまう山本にゲッソリしていた。



『獄寺君、山本のこと認めてあげましょうよ』

「けっ、あんな野球バカ誰が認めるか!」

『でも、彼はファミリーに欠かせない存在になります。もちろん獄寺君も』




ツナたちの方を見つめたまま、与魅は微笑を崩さない。
そんな与魅の横顔に、獄寺は目が離せなくなっていた。





「それってどういう・・・・」

『この先どんな敵が現れても、私達はボスを守ります。それは個人技ではなく皆の力を合わせて。そして、誰一人欠けることなくボスに笑顔を見せる。それが私達ファミリーの使命です』

「・・・」

『命を賭けて守るのは否定しません。でも、本当に死んでしまったらあの人は壊れてしまうかもしれない。それだけ優しい人だから・・・』




獄寺は与魅の話を黙って聞いていた。
正直納得したわけではない。
山本が気に入らないのは変わらないし、認めることなんてもってのほかだ。
だが、ツナの優しさは理解できた。
自分よりも相手の心配をする、彼はそういう人だと身をもって体感しているから。
だからこそ命を落としてでも守りたいと思う。
それの何がいけないのか・・・




『今理解しなくても大丈夫ですよ。獄寺君が自分自身で理解できるときは必ず来ます』

「・・・ケッ」





何もかもを見透かしたような発言を頭で反復する。
やっぱり今の俺には理解できない。
本当に分かるときがくるのだろうか?




「お前らも油売ってないで参加しろ」

『私もですか?』

「当たり前だろ?お前を鍛えるとも言ってるんだからな」

『はぁ、分かりました』








   
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