君と見るキセキ
□第9Q
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フラフラとした足取りでコートに向かう黒子。
『ちょ・・・駄目だよテツヤ!!!あんたフラフラじゃん!?』
「そうよ!怪我人でしょう!駄目に決まってるじゃない!」
「?・・・今行けってカントクが」
「言ってない!たらればが漏れただけ!」
「・・・じゃ出ます」
「オイ!」
『テツヤ!!無茶しないでよ!!』
必死に黒子を止める2人だが、黒子はベンチに戻ろうとしない。
「僕が出て戦況を変えられるならお願いします。・・・・それに
約束しました。火神君の陰になると」
「「「・・・・・・」」」
『テツヤ・・・・・』
黒子の意志は固く揺るがない。
彼の目を見れば、誰もがそれを理解した。
長い沈黙の後、リコがため息をつく。
「わかったわ・・・!ただし、ちょっとでも危ないと思ったらすぐ交代します!」
『リコ先輩ッ!?』
「大丈夫ですよ忍。ちゃんと勝ってきます」
『そういう心配じゃなくて!テツヤの心配してるの!!!』
「・・・・嬉しいことを言ってくれますね。余計にやる気が出てきました!」
黒子は両頬を叩き、気合いを入れる。
それを見て忍は、黒子が変なところで頑固なことを思い出した。
『・・・・・テツヤ。ちょっとおいで』
「?」
手招きする忍の方へ黒子が向かうと