君と見るキセキ
□第6Q
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ーーーー誠凛ベンチ
「ミスディレが切れてきてるってどういうこと?」
『私が今まで見てきた帝光の試合で、テツヤがフルで出ているものはありませんでした。つまり・・・』
「はい。予想外のハイペースで、もう効力を失い始めてるんです」
静まり返る部員達。
状況は何となく理解しているが、理由までは分かっていない。
疑問をぶつけるため、リコが口を開く。
「な、どうして?」
『慣れちゃうんですよ』
「?」
『テツヤがやっているのは魔法とかじゃありません。だから、同じ事をしていれば見慣れてくる。そして、テツヤの存在にも・・・』
「その通りです。普段ならもう少し保つのですが」
「そ、そーゆー大事なことはさいしょにいわんかー!」
鬼の形相でテツヤの首を絞めるリコ。
「聞かれなかったんで・・・」
「聞かななんもしゃべらんのかおのれはー!」
『んなことしてる場合ですか!それより、涼太でしょう。なんか策考えないと』
「活路はあります。弱点と言えるほどのものではありませんが・・・」
「TO終了です!」
話が進まない間に、TOが終了してしまった。
慌ててリコは皆に指示を振る。
「とにかくDFマンツーからゾーンに変更!中固めて黄瀬君来たらヘルプ早めに!黄瀬阻止最優先!」
「「「おう!」」」
「黒子君はちょっとペースダウン。思いきり点差引き離されない程度に」
「やってみます」
『テツヤ・・・大丈夫だよ。絶対に勝とうね』
「・・・・はい!」