君と見るキセキ
□第2Q
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『(そういえば、今って仮入部の状態だっけ)』
すっかり忘れてたと思い、忍はある場所に向かった。
『リコ先輩いますか?』
「ん?忍じゃない。どうしたの?」
『仮入部の状態ってこと忘れていたので、本入部届け貰いに来ました』
「忍も?」
『へ?それって 「カントクー!本入部届けくれ!」・・・うっせえ!教室くらい静かに入れや!』
突然の火神の登場に、リコは口の中の牛乳を噴き出す。
「なんなの今日は。アンタも!?」
「も?」
『その言い方は他にも誰か来たんですか?』
さっきも抱いた疑問を口にする。
「黒子君も同じこと言いに来たの!」
「アイツ・・・」
「まあ即戦力になるし、ベンチに空きもあるから大歓迎よ」
はいっと入部届けを火神と、忍に渡す。
「これで試合に出れるんだな!」
そう言い駆け出そうとする火神をリコが引き止める。
「受け付けるのは、月曜朝の8:40屋上ね!」
『・・・それって私もですか?』
「もちろん!」
『(・・・月曜って朝礼あったような。なんか企んでる?)』
そう思いチラッとリコの顔を覗き見ると、怪しげな笑みを浮かべていたため、自分の考えが確信に変わった。
―――― 月曜日
「ふっふっふ。待っていたぞ!」
屋上に着くと、仁王立ちで待ち構えていたリコがいた。
「・・・アホなのか?」
「決闘?」
『大我・・・。先輩にアホとか言うなよ』
と言いつつも呆れ顔の忍。
「つーか。あと5分で朝礼じゃねーか!」
『わ―すごく今さら。どうでもいいので本題に入りましょう。何かするためにわざわざここに呼んだんですよね?』
「その通り!」
よくぞ聞いてくれたと言わんばかりに笑顔を輝かせる。
反して顔を青くする1年達。
「「「(嫌な予感しかしね―)」」」
「去年、主将にカントクを頼まれた時約束したの。全国目指してガチでバスケをやること!もし覚悟がなければ、同好会もあるからそっちへどうぞ!」
『(なんか読めてきた・・・)』
「んで今!学年とクラス・名前!今年の目標を宣言してもらいます!」
さらに、出来なければ全裸で告白だと言われ、1年は戸惑いを隠せない。
「ちなみに“一回戦突破”とか“頑張る”とかはやり直し!」
「余裕じゃねーか。テストにもなんね―。」
スッと前に出て柵に飛び乗る。
「1-B 5番!火神大我!キセキの世代を倒して日本一になる!」