君と見るキセキ

□第8Q
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『どう?テツヤ。吐き気とかはある?』

「今のところ大丈夫です。すいません。心配かけてしまって」





忍が応急措置を施していると、シュンとした表情で黒子が謝ってくる。
一瞬包帯を巻く手が止まり、キョトンとする忍。
だが、すぐにまた動き始めて、大きなため息をつく。







『何言ってんの。こんな時に心配しないようなら仲間じゃないでしょ!ぶつけたのが頭だし、脳震盪起こしてる可能性もあるからね。気持ち悪くなったらすぐに言って!』

「分かりました。ありがとうございます」

『いーえ!さ、応急措置完了!今はゆっくり寝てて。かなりフラフラでしょ?少し頭高くして横にならないと。・・・・・・浩一のやつ、慌てて荷物めっちゃ離れたとに置きやがったな・・・・






・・・・テツヤ。膝枕でも良い?』

「・・・・え、あの。忍が良いのなら」

『なら、早く横になって休んで!』





ポンポンと膝を叩き、横になるよう促す。
オドオドとする黒子に、早くしろと言わんばかりの視線を送りようやく頭を乗せた。
周りの視線が気になるし恥ずかしさもあるが、ぶつけた衝撃と出血による目眩には勝てず意識を手放す。








「・・・・・・で、どうする」

「黒子君はもう出せないわ。残りのメンバーでやれることをやるしかないでしょ!」

『ここは2年生主体で行くべきではないですか?』

「そうね。まだ早いけど離されるわけにはいかないわ。“勝負所”よ、日向君!」

『大我はOF控えた方が良いですよね。涼太に返されてすぐ頭に血のぼるし。それなら、DFに専念した方が・・・・』

「そんな・・・!それで大丈夫なのかよ・・・・ですか?」

「大丈夫だって。ちっとは信じろ!」






明らかに不安そうにする火神に、日向がフォローをいれる。
それでも、火神がうだうだ言っていると・・・・





「大丈夫だっつってんだろダァホ!たまにはちゃんと先輩の言うこと聞けや殺すぞ!」
『ガタガタうっせんだよ。女子か!?テメーは黙って涼太足止めしとけばいんだよ!メンバーはずすぞ』

「・・・・・!?」

「行くぞ!」






忍の口の悪さには慣れていたが、日向の暴言に驚く火神。
そんなことは気にせずに、2年生たちはコートに戻っていく。










   
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