君と見るキセキ
□第8Q
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「ったく今時の1年はどいつもこいつも・・・・。もっと敬え!先輩を!そしてひれ伏せ!」
「スイッチ入って本音漏れてるよキャプテン!」
豹変した日向に、火神は未だタジタジ。
見かねた伊月が近づく。
「あー、気にすんな。クラッチタイムはあーなんの」
「・・・・・・?」
「とりあえず本音出てる間はシュートそうそう落とさないから。OFは任せて、お前はDF死にものぐるいでいけ」
あまり納得はいってないが、とにかく火神は皆が言うようにDFに専念することにした。
『順平先輩のクラッチタイム生で見るの、私初めてです!なんだかワクワクしちゃいます!』
「日向君のクラッチタイムのことは知ってたの?」
『勿論ですよ!入学する前にこの学校の試合映像見てましたし。まさか、あんなに歪むとは思ってませんでしたけど』
「へぇ・・・私たちの試合に目を通してくれてたんだ!」
『そりゃ、流石に基礎も出来ていないようなヘッポコバスケのマネジにはなりたくないですから。下調べくらいはしないと』
「・・・・抜かりないわね。ということは、私たちのバスケを認めてくれたってことよね?」
『まあ、まだ荒削りだなと思うところもありますが、これからまだまだ強くなるチームだとも思いました。おっ、そんなこと言ってたらコガちゃん先輩が絶妙なタイミングでスクリーン入れてる!ナイス!』
この子には本当に驚かされるわ。
人を見る力が秀でている。
驚異の観察眼・・・とでも言うのかしら?
私みたいに数値化するわけではなく、本質を見抜いている。
しかも、それを当たり前だと思ってるからすごいのよね。