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□標的6
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「意外だね」

『何が?』

「与魅は子供苦手なタイプだと思ってた」

『ああ、子供は好き。単純で素直、コントロールしやすいでしょ』




そう言い黒い笑みを浮かべる与魅に、雲雀は何も言えなくなる。





『なんて、冗談ですよ。純粋に素直で可愛いなって思うんです』

「・・・・」

『雲雀さんは子供嫌い?』

「・・・・いよ」

『え?』

「与魅との子供ならきっと嫌いにはならないよ」

『!』





またこの人はなんて事を言い出すんだ。
そんなこと言われたらちょっとだけ、本当にちょっとだけ期待してしまう。
もしかしたらなんて考えてしまう。



『(イヤイヤ!雲雀さんに限ってそんな色恋に現を抜かすはずがない!というか想像できない!夢小説の中だけの話だよ!)』

「何黙ってるの、なんか言ってよ」

『ホギッ!あーうー・・・そうだ!巡回!そろそろ職務に戻らないと!そうだそうしましょう!』





パンと手を叩き、与魅はすばやく歩き出す。





『あだぁ!』
「うぉっと!?」




本日2度目の激突を果たす与魅。
今日は良くぶつかるだと思いフラッとしていると、ぶつかってしまったであろう人物に抱きしめられる。




「っぶねー、ちゃんと前向いて歩け!って」

『す、すいませんでし・・・って』

「与魅!」
「獄寺君!』





ぶつかった人物とは、獄寺だった。
獄寺は相手が与魅だと分かると顔を真っ赤にし、慌てて手を離す。




「な、なんで制服なんか着てこんなとこいんだよ!」

『私は風紀の巡回をしていまして、獄寺君は?』

「俺はただ10代目の所に行こうか悩んでて・・・」

『相変わらず仲が良いですね。あ、でも今日は行かない方が良いかもしれません』

「なんでだよ」

『獄寺君が苦手そうな来客が来ているはずなので』




なんだそれ?とでも言いた気な顔で見つめる。
ふと与魅の後ろを見ると、再び猟奇的な雰囲気を駄々漏らしにしている雲雀が居た。



「ッ!なんだあいつ!?」

『あ!また忘れてた!それでは獄寺君、巡回の続きがあるので失礼します』

「あ!おい!」




呼びかけるが与魅は駆け出していく。
雲雀を宥める様子を見て、なんだか苦しくなる。
もう少し話しをしたかったから?
あの隣に居る男は誰か?
俺にはあんな笑顔を向けたことがないから?
頭の中でグルグル回りだし気持ち悪い。








「あんなヤツ・・・俺には関係ねー・・・」









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