世界の果て

□海の碧
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―――青い、蒼い、碧い空が広がる。

しかしそれは空ではなく水だと気付く。

それもただの水ではなく……おそらく海。

ゆらゆら水面が揺れて光が落ちる。





探さないと

『何を?』



大切なもの

『何処にある?』



手を離してしまった

『いつ?』



あの人だけだった

『誰だ?』



待っていると言った

『俺を?』



なくしたくなかった

『どうして?』



だから見付けると誓った


この海で


必ず逢えると言った











(―――――……クソッ、一体何なんだ…)



まだ夢から醒めきらない頭で考える。

寝起きのせいで上手く回らない頭はぐるぐると思考を始めた。

昔から幾度となく見た夢だ。

こうしてふとした時に微睡むとよく見る。

特に海界に身を置くようになってからは頻繁に。



無意識下の事だろう。

しかし何故こうも繰り返す?

やはり俺には海で探さなくてはいけない“誰か”がいるのか?

海で人間なんて、人魚じゃあるまいし…

暗示か予知夢か…それとも前世の記憶か。

ありもしない可能性に軋むように頭痛がした。




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