世界の果て

□White sweet AQUARIUS
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「ねぇ真美、先生の誕生日何しようか?」

「へ?」





〜White sweet AQUARIUS〜





どうやらアイザックと氷河の話によると、2月7日はカミュの誕生日らしい。

そう言われれば今は水瓶座月間だった。

ということは3人共誕生日が近いということだ。



「カミュの誕生日ねぇ…」

「やっぱりケーキかな?」

「ちょっとありきたりじゃないか?」

「ならアイザックは何か良い案あるの?」

「そう言われるとな〜。」

「良いんじゃないか、ありきたりで。
カミュはそういうのを大事にできる人だ。
みんなの祝う気持ちがあれば良い。」

「うんっ!
やっぱりケーキは必要だよね!」

「じゃあご馳走も作ろうぜ。
何が良いかな?」

「僕は先生の作るシチューが一番好きだよ。」

「先生の誕生日に先生が作ってちゃ意味ないだろ。」

「そこらは私に任せろ。
カミュ程ではないがそれなりには作れるだろう。」

「じゃあさじゃあさ、カミュのはホワイトシチューだけど、違うの作ろうよ。」

「んー…それじゃあビーフシチューとかかな。」

「ケーキは先生にぴったりのにしよう。
白くてキラキラしたやつ。」



きゃあきゃあと計画を練る少年二人に思わず笑みが零れる。

さて、問題なのはこの壮大な計画をカミュに内緒で進めるか、だ。







「――――聖域に呼ばれた。


どうしてそんなに嬉しそうなのだ?」

「そ、そんな事ないですよ!」

「気を付けて行ってきてくださいっ。」

「………」

「カミュ、そんな顔するな。
留守はしっかり見ておくから。」

「真美まで…」

「僕達お留守番くらいちゃんとできますから!」



キラキラした目で「大丈夫」と語る弟子にカミュは何か言いかけて止めた。

おそらくアイザックと氷河が子犬のように見えたのだろう。

現に私にはそう見える。




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