世界の果て

□クロノス
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《――――真美、お主を過去へ送るにあたり諸々の理がある。》

「ことわり…つまり約束事ね。」

《そう。
まず大原則として時間の流れを変えてはならぬ。》

「歴史の改変ね。
それは大前提だ。」

《さらに未来の情報、時代の行方を左右しかねないものは、口にした時点でその身に禍(わざわい)が降りかかると知れ。》

「例えば何を言ってはいけない?」

《誰がどのように勝つかは言ってはならない。》

「それじゃあ『大丈夫。』とか『諦めるな。』とかは良いよね?」

《それは構わない。》

「根拠なく頑張れー、とか死ぬなー、ならば?」

《その者が何処でどのように死ぬのでその時が死に時ではない。という言い方でなければ良い。》

「ややこしい…
つまり生きていてほしい。という言い方ならば問題ないと?」

《そうなる。
そなたは聡明なようだ。
あとは自身の判断で振る舞うがよかろう。》

「分かった。」

《それとそなたから代償を頂く。》

「代償?」

《我とて我の理で動いておる。
ただという訳にはいかない。》



……ま、お願いしっぱなしというのも悪いかな。

人間に出来ることなんて限られているのだし、どうってことないだろう。



「私は貴方に何をしたら良い?」

《上を見よ。》

「え?」



真上から声が響いた。

言われた通り素直に上を見ると、口の中に何か入った。

ぬるりと口に広がって…



「うぇっ、ぐっ、


うぇぇえ〜〜、飲んじゃった……」

《別に人体に害のあるものではない。》

「うぅー……鳥のフンかと思った…」

《………もっとマシな想像はできなかったのか…》

「だって空から落ちてきた…」




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